3日夜、東京・御茶ノ水のデジタルハリウッド(株)にて『HELLO Again、iMac』スペシャルセミナーが開催された。
第一部のテーマは、“アップルの歴史とマーケティング戦略”。パネルディスカッション形式で、アップル社の20年の歴史を振り返り、今後『iMac』製品を販売するにあたってのマーケティング戦略について、論じ合った。パネリストは、アップルコンピュータ(株)代表取締役社長の原田永幸氏、デジタルハリウッド(株)校長兼代表の杉山知之氏、アスキーの戸島國雄発行人、月刊アスキーの遠藤論編集長。
レースクイーンの早野久美子と『iMac』 |
第二部のテーマは、“iMacでこんなこと、あんなこと、出来たらいいな”。iMacの機能を実際に使ってみながら、その活用術をパネルディスカッション形式で語り合った。パネリストは、アップルプロダクトマネージャーの中村淳氏、杉山知之校長、(株)アクシスのアートディレクターの宮崎光弘氏、アスキーの戸島國雄発行人、月刊マックパワー、マックピープルの石坂康夫編集長。
ようやく“アップルらしさ”が戻った
月刊アスキー編集長の遠藤論氏 |
「1977年の創立から20年あまりが経つわけですが、iMacでようやく“アップルらしい”製品が再び出てきました。」と原田永幸社長。「Apple
IIを所有していますけど、その時代アップルが持っていたよさ、そういう時代にアップルが返って来た」と、月刊アスキー編集長の遠藤論氏は語った。
どこかなつかしいデザイン“Future Nostalgia”
デジタルハリウッド代表の杉山知之氏 |
「これまで、アップルは“テクノロジー”と“ブランド”という資産を培ってきた。それがわれわれの底力」(原田氏)、「スケルトン、“Translucent”な素材を採用したのは、日本で流行しているからではなく、今の時代にあった素材ということからです。」(中村氏)、「デザインは、どこか1950年代のラジオみたいに、“Retro
Future”な印象を受ける」(杉山氏)、「アップル社内のインダストリアルデザイングループ(IDg)のデザインディレクターであるジョナサン・アイブ(Jonathan
Ive)氏はiMacのデザインコンセプトを“Future Nostalgia”と解説しています」(原田氏)
徹底したこだわり:計12個のアップルマーク
iMacの箱 |
「IDgは、キャンディー工場に見学にいって、“Transclucent”な質感、艶感を学びにいったそうですよ。その上、iMacには初代Macみたいにボードにサインが記述されていませんが、1台に計12個のアップルマークがあります。隠れたところ、底の金属のベゼルにもアップルのロゴが彫られています。また、もうひとつ付け加えると、米国版『iMac』には日本版よりアップルマークがひとつ多いです」(中村氏)
コンピューターと人との関わりを考え直したiMac
アップルコンピュータ代表取締役社長の原田永幸氏 |
「ユーザーがiMacを見たとき、“かわいい”という印象を受けるようですが、デザインをする側から見ると、彼らはコンピューターと人間の関係がどうあるべきかを考えてiMacを作ったと思っています」(宮崎氏)、「いまだに、CPUのクロック数、Windowsか、Macintoshかという言葉でコンピューターが語られていますが、こういった言葉が死語になるでしょう。将来的にコンピューターはツールではなく、自分のもう一人のパートナー、“エージェント”になると思っています。そういった意味でiMacはエージェントに近いコンピューターなのかなと思っています。来年、コンシューマー向けノートブックを発表する予定ですので、今後の展開に期待してください」(原田氏)