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Seybold San FranciscoでマイクロソフトがChromeffectsを披露

1998年09月03日 00時00分更新

文● 水無月実

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 今日も昨日に続いてSeybold San Francisco/Publishing 98(以下SSF98)からの話題をお届けする。

 2日もスペシャルキーノートスピーチがあった。2日の講演者はマイクロソフトのスティーブ・バルマー氏である。昨年のマイクロソフトのビル・ゲイツ氏に比べると入りが今一つであった。ただ、ChromeffectsというWebの新技術が紹介されたので見ごたえはあるものだった。

デジタル神経組織に言及したマイクロソフトのバルマー

スティーブ・バルマー氏
スティーブ・バルマー氏


 スティーブ・バルマー氏が登場したスペシャルキーノートは『Publishing On The Windows Platform』(以下、講演タイトルおよびキーワードは英語そのままを原則とする)と題されていた。しかし、冒頭の話題はマイクロソフトが注力し続けるインターネットに関するものであった。

 昨年のビル・ゲイツ氏はこれからのインターネット環境で“Web Lifestyle”が確立されていくと説いた。“Web Lifestyle”とは、今後進化しつづけるインターネット上で“コミュニケーションを軸とした学習”と“ユーザーが参加する活動”が展開されるというものだ。

 なるほど、この数年でインターネットの利用者数、利用者層は急速に拡大し、そこでのコミュニケーションは盛んになっている。また、これまでのインターネットにはなかった新しいコンテンツを駆使した試みも見られる。人々の生活にインターネットが浸透し、生活の一部になっていると言っても過言ではない。特に日本よりも電話代などの面で通信環境の整ったアメリカでは、その傾向が顕著である。

 これを受けて、今年は“Digital Nervous Systems”という言葉が登場した。直訳すると“デジタル神経組織”とでもなるだろうか。これからはビジネスパートナーとの企業活動がインターネット上で行われるのが普通になる。そうなれば、インターネットにはビジネスチャンスが溢れ、Eコマースも盛んになり、一方ではインターネットでの知識管理(Knowledge Management)も重要になる。なるほど、インターネットのセキュリティーが確立され、信頼されてきた昨年以降は自社の製品を自社のWebサイトで販売するというEコマースの例も多くなってきた。

シーボルトの名物アナリスト、クレイグ・クライン氏とともに会場からの質問に答えるバルマー氏
シーボルトの名物アナリスト、クレイグ・クライン氏とともに会場からの質問に答えるバルマー氏



 1日までの“Web Publisher Conference”(SSF98は、31日・1日、2日、3日・4日の3部に分かれる)の中でもアップル・コンピュータを筆頭に実例がいくつも紹介されていた。ここで、EddiBauer社が紹介された。この会社は、カタログとして印刷に使ったデータをインターネットに2次利用している。インターネットにアップロードされたカタログはデータベースと連携しており、顧客からの注文をWebサイトで受ける仕組みが整っている。これまでの例にも共通するがインターネットでの商業活動を支えるのは、セキュリティー、そして商品データを管理してくれるデータベースの活用である。

Chromeffectsを発表

バルマー氏はChromeffectやEddiBauer社のデモにも立ち会った。この写真はEddiBauer社の担当者と掛け合いを演じているところ
バルマー氏はChromeffectやEddiBauer社のデモにも立ち会った。この写真はEddiBauer社の担当者と掛け合いを演じているところ


 さらに、マイクロソフト社はWebサイトでの表現を多彩にする技術として、『Chromeffects』を発表した。Chromeffectsは、今話題の言語であるXMLを使った2D、3Dのコンテンツ制作および管理のための新技術である。今回行われたデモンストレーションでは、2D、3Dモデルをリアルタイムに変更するほか、文字などはワープロソフトと双方向で連携して編集作業が行なわれていた。これにより、今後Webサイトの制作効率が向上するとともに、活動する上で不可欠の変更も迅速に処理できる。

 最後に、先週から業界を賑わせているクォークとアドビの株買収についても特別のセッションが行なわれたので、報告する。この発端は、クォークがアドビに「アドビの株買収の一部、もしくは全部を市場価格以上の価格で買収したい」と申し込んだことである。もちろん、アドビ社はこの申し出を断ったが、業界ではこの事実がいろいろな憶測を呼んでいる。

クォーク社のアドビ社買収計画に関するセミナーのパネリストたち
クォーク社のアドビ社買収計画に関するセミナーのパネリストたち


 このセッションに先だって業界のメーリングリストではいろいろな意見が飛び交っていたという。ここではそれらの意見が紹介されたが、その中にはもしも買収が成立すれば、新社名は“Quado”か“Adoqu”かというものもあり、笑いを誘っていた。しかし、会場の挙手で確認された大多数を占める意見は「クォーク社はアドビ買収をあきらめるべき」であった。会場からは「来年には発売されるであろうアドビの新しいレイアウトソフト『K2』(1日にデモ公開された)が市場に好評を博すると、1社がすべての分野のソフトを握ることになるが、それは良くないのではないか」という意見もあった。

 なお、まったくの未確認情報だが、どうもクォークが再来年向けに次のものを用意しているようである。クォークとアドビとのユーザーにとっては好ましい競合関係はしばらく続き、これからも両社は競って良いソフトウェアを発表してくれそうである。

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