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ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズが共演!?

1998年09月01日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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一人のビルと二人のスティーブ

 ビル・ゲイツ氏とスティーブ・ジョブズ氏の共演が実現する。といってもご本人たちのことではない。

 映画やTVのエンターテイメント誌として名高い米『Variety』誌(http://www.variety.com/)によれば、TurnerNetwork Television(TNT)が、黎明期のパーソナル・コンピュータ業界の人々の姿を描いたドラマの製作を行なう。そのドラマに描かれるのが、この二人というわけだ。

 二人はまさに業界の立役者。マイクロソフトの創立者で現会長であるゲイツ氏は、世界一の大金持ちで、次の目標は大統領しかないとも。そして、ジョブズ氏は、アップル・コンピュータの創立者の一人。現在は暫定CEOとして同社を立て直し、iMacというヒットを生み出した今や時のヒトだ。これにもう一人のアップルの創立者、スティーブ・ウォズニアク氏が登場する。これだけの人物が登場すれば、話題性十分、ヒットは約束されたものといったところか。

 ジョブズ氏を日本でも人気のテレビドラマ『ER~緊急救命室』のカーター医師役のノア・ワイル氏(http://www.nbc.com/tvcentral/shows/er/biowyle.html)、ゲイツ氏を映画『シザーハンズ』のジム役のアンソニー・M・ホール氏、ウォズニアク氏が映画『ツイスター』に出演したジョセフ・スロットニック氏がそれぞれ演じる。

二人はなかよし?

 マイクロソフトとアップルといえば、パソコン業界で常に対立構造にあるようにいわれてきた。しかし、両社は、これまでも、そしていまでも良きビジネスパートナーである。

 マイクロソフトは、Macintosh向けのソフトウェアをはじめて開発した会社の一つだったが、ジョブズ氏がアップルを去ってからというもの、ことあるごとに両社は対立しているように言われた。事実、OSに関する著作権侵害などの論争もあった。しかし、そうした不毛な対立の影は薄くなった。ジョブズ氏がアップルに帰ってきてからは、両社の対立構造は消え去り、協力体制が再び整ってきた。

 マイクロソフトは、Macintosh向けの『Office 98 Macintosh Edition』の開発に大変な労力を使ったり、アップルは『Microsoft Internet Explorer』をMac OSの標準ブラウザーとしたりと、両社はますます近づきつつある。

 人物交流において、残念ながらゲイツ氏とジョブズ氏、当人同士の関係についての情報は豊富ではない。しかし、日本においては、先日のiMacのカウントダウンイベントにもマイクロソフト(株)の古川享会長が出てきた。古川氏とアップルコンピュータ(株)の原田永幸社長の二人がラジオの深夜番組へ出演したことも記憶に新しい。

 

Macとマイクロソフトのロゴが同居している。古川氏(左の写真)の懐は深い。こちらもカジュアルスタイルで軽快なフットワークを予感させる原田氏(右の写真) Macとマイクロソフトのロゴが同居している。古川氏(左の写真)の懐は深い。こちらもカジュアルスタイルで軽快なフットワークを予感させる原田氏(右の写真)


 こうした動きについて、心ない人の「演出だ」、「お金になればなんでも」との言葉もあるが、筆者(千葉)は、両社が成熟したパートナーシップによって結ばれている証拠だと理解している。

タイトルは『シリコンバレーの海賊たち』?

 ドラマのタイトルは『Pirates of Silicon Valley(仮題)』。シリコンバレーの荒海を乗り越えて、宝島を探したり、船を奪いあったりして、最後に“お宝”を得た者が、世界一の大金持ちになれる、ということだろうか?

 冗談はさておき、ガレージからスタートしたパソコン業者と天才パソコンおたくが、世界で成功するという、まさに“アメリカンドリーム”というストーリーであれば、いかにもアメリカらしいヒューマンなドラマが期待できるだろう。

 いずれにせよ、彼らの人生は傍観者にとって、その過去も未来も楽しませてくれるものには違いない。

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