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ソニーと日商エレクトロニクス、“AITテクノロジー・セミナー”を共催

1998年08月27日 00時00分更新

文● 報道局 浅野広明

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 ソニー(株)と日商エレクトロニクス(株)は25日、“AITテクノロジー・セミナー”を開催した。AITは、Advanced Intelligent Tapeの略で、ソニーが'96年に発表したデータ記憶装置のフォーマットのこと。その概要やロードマップ、日商エレクトロニクスの発売するデータストレージ製品群『Nシリーズ』などが紹介された。

AITデータカートリッジ『SDX-T3C』。AITメディアは現在のところソニーしか販売していない。価格は1万1000円
AITデータカートリッジ『SDX-T3C』。AITメディアは現在のところソニーしか販売していない。価格は1万1000円


 AITは、データカートリッジに8mmテープを使用し、'96年に発表された初代の仕様“AIT-1”では、25GBの記憶容量、毎秒3MBのデータ転送が可能。セミナーで説明されたロードマップによると、50GBの記憶容量、毎秒6MBのデータ転送速度を持つ“AIT-2”に準ずる製品を、来年1月には市場へ投入するという。

 また、その後、AITの仕様は2年ごとにバージョンアップを重ねる予定で、2000年の“AIT-3”では記憶容量100GB、データ転送速度毎秒12MB、2002年の“AIT-4”では200GB、毎秒24MBの性能を目指すとしている。

 このような大容量、高速データ転送という特徴のほかに、次の点も大きく取り上げられた。まず、カートリッジ内にメモリー(MIC:Memory in Cassette)を搭載しているため、高速の検索や読み書きが行なえること。また、磁性体として100%コバルト材を使用した“Advanced Metal Evaporate(AME)”テープを採用し、表面をDLC(Diamond Like Carbon)保護膜でコートしていること。このテープは劣化しにくく、ヘッドのクリーニングも不要なのだという。そして、ヘリカルスキャン方式を採用し緩やかなテープ走行を実現することで、誤動作を軽減したこと。MTBF(平均故障間隔)は、AIT-1で20万時間、AIT-2で30万時間だという。

 DDS(Digital Data Storage)やDLT(Digital Linear Tape)などのテープ型記憶装置に比べて、コストパフォーマンスに優れることが強調された。ただ、同社の日下部雅彦・データストレージ営業部統括部長も、そのスペックの優位性に比して認知度の低いことが課題であることを認め、今回のようなセミナーや各種メディアへの積極的な働きかけにより、普及を図りたいと述べた。

日下部雅彦氏 日下部雅彦氏


 日商エレクトロニクスは『Nシリーズ』の中のAIT製品群を紹介した。ちなみに同シリーズには、DAT、DLT、TRAVANなどのストレージ製品も含まれている。

 



 

左上:AITドライブ『N8000AIT』。8月から年末までの間、キャンペーン価格として69万8000円のところが59万8000円に値下げされる左上:AITドライブ『N8000AIT』。8月から年末までの間、キャンペーン価格として69万8000円のところが59万8000円に値下げされる



右上:AITメディア収納ボックス『The Fire Cooler』。耐火性、耐熱性を備えている。鍵付き。価格は12万8000円

左下:4連装のAITドライブ『N68000AIT』。価格は138万円。最大記憶容量は200GB

右下:12連装のAITドライブ『N4210ALS』。価格は218万円。最大記憶容量は600GB

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