インテル(株)は、CPUコアに2次キャッシュメモリーを内蔵した『Celeronプロセッサ』を発表した。また、同時にデスクトップPC向けのPentium
IIプロセッサーに新たに動作クロック450MHz版を追加した。
今回発表となったCeleronプロセッサーは、動作クロック300MHzと333MHzの2種類で、開発コード名で“Mendocino”と呼ばれていたもの。バススピードは、66MHzから変更されていない。既存のCeleronプロセッサーにも300MHz版が存在するため、新たに追加されるCeleronプロセッサーの300MHz版は、『300A
MHz版』と呼ばれる。今回の追加により、Celeronプロセッサーは、既存の266MHz、300MHzに加え、300A
MHz、333MHzの4種類のラインアップとなる。
CPUコアに内蔵された2次キャッシュメモリーは、容量128KBで、CPUコアと同じ動作クロックでアクセスされる。これにより、従来の2次キャッシュを搭載しないCeleronプロセッサーに対し、同じ動作クロックで10~20パーセント性能が向上するという。
価格は、300A MHz版が2万1710円、333MHz版が2万7970円(1000個ロット時)。Pentium
II-450MHzは9万7450円となっている。
Celeron-333MHz/300A MHz |
Pentium II-450MHz |
同社は、この発表に合わせて、プレスセミナーなどで公表されていたデスクトップ向けプロセッサーのロードマップをアップデートした(表1)。
今回のアップデートでは、'99年前半に予定されている“Katmai(開発コード名)”プロセッサーの2次キャッシュ容量が512KBであることが明らかになった。また、'99年前半にベーシックPC用として、Celeronプロセッサーに366MHz版が追加されるとともに、370ピンのPPGAパッケージを採用したバージョンも登場することが発表された。これは、小型のケースに入る、より低価格なプロセッサーに対する要望が多くのPCベンダーから寄せられていることに応えるためであるという。なお、PPGAパッケージは、独自のCPUソケットを採用し、Pentium
Proプロセッサーなどのアップグレード用にはならないということだ。
- 表1デスクトップ向けプロセッサーのロードマッププレスリリース
- プレスリリース(米国)
- インテル社のホームページ
カテゴリ | プロセッサー名 | 時期 | 動作クロック | 2次キャッシュ | チップセット/バスクロック | パッケージ |
パフォーマンスPC | Pentium II | '98年前半 | 233MHz~400MHz | 512Kbytes | 440LX/66MHz、440BX/100MHz | SECC |
Pentium II | '98年後半 | 333MHz~450MHz | 512Kbytes | 440LX/66MHz、440BX/100MHz | SECC | |
Pentium II | '99年前半 | 350MHz~450MHz | 512Kbytes | 440BX/100MHz | SECC | |
Katmai | '99年前半 | 450MHz~500MHz | 512Kbytes | 440BX/100MHz | SECC | |
ベーシックPC | MMX Pentium | '98年前半 | 233MHz | - | 430TX/66MHz | PGA |
Celeron | '98年前半 | 266MHz | - | 440EX/66MHz | SEPP | |
Celeron | '98年後半 | 300MHz、300AMHz/333MHz | -、128Kbytes | 440EX/66MHz | SEPP | |
Celeron | '99年前半 | 300AMHz/333MHz/366MHz | 128Kbytes | 440EX/66MHz | SEPP/PPGA |