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米NS社CEOのブライアン L. ハーラ氏「これからは情報家電の時代」

1998年07月14日 00時00分更新

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 米ナショナルセミコンダクター社取締役会長兼社長ならびに最高経営責任者のブライアン L. ハーラ氏(Brian L. Halla)が、パソコンの機能を1個の半導体チップに統合する“PC On A Chip”戦略について、都内で記者説明会を行なった。

ブライアン L. ハーラ氏 ブライアン L. ハーラ氏



これからは情報家電の時代

「コンピューターの時代は過ぎ去り、今は情報家電の時代。PCの低価格はさらに進むだろう。PCの価格が下がれば下がるほど一般家庭に浸透していくと考えられる。しかし、同時に潜在的なユーザーが多いマーケット、情報家電(Information Appliances)のマーケットが情報時代の原動力になる。将来的には、PC、セットトップボックス、DVD、ハンドヘルドPC、無線機器、ビデオゲームなどの機能が一つのボックスに集約されると考える。昨年のCOMDEX/Fallで、“Media Center"のコンセプトを参考出展した。これは、6スピーカーサラウンド、テレビチューナー、ゲームマシン、インターネットアクセス、留守電話、ビデオ電話、DVDプレーヤーなどの機能を1つのボックスに集約するというもの。そして、これを支えるのがパソコンの機能を1つの半導体チップに統合する“PC On A Chip”戦略、“MediaPC(通称)”プロセッサーを使用したコンセプト出展だった」

「“PC On A Chip”を実現するために、米サイリックス社を含め、幾つかの会社を買収した」

プレゼンテーション画面。チップには“intel inside”をもじった“pc inside”の文字が。
プレゼンテーション画面。チップには“intel inside”をもじった“pc inside”の文字が。



“MediaPC”(通称)、将来的には電池寿命1週間を可能に

「われわれの企業戦略は、高性能なプロセッサーを低価格で提供することである。消費電力管理機能、温度センサー、グラフィック、10/100 Ethernetネットワーク機能などパソコンの機能をひとつの半導体チップに統合することによって、プロセッサーの機能を強化すると同時に、低価格化が可能になる。“MediaPC”は、クロック周波数266-300MHz。4ワット以下の消費電力を予定している。出荷は’99年の6月を予定。使用用途はPCに限らずDVDプレーヤー、セットトップボックスなど多様だ」

「将来的には、電池寿命が1週間のプロセッサーを発表したい。来年、なるべく近い将来そのような発表ができればいいと考えている」

インテルの機能集約型プロセッサーにも言及

「市場の動向を見ると、機能を集約したプロセッサーの必要性は明らかである。恐らく、インテルは来年にもこのような機能を持つプロセッサーを発表するだろう」

米マイクロソフト社と日本の家電メーカーとの提携について

「これは、あくまでも私の見解だが、ビル・ゲイツ氏はより多くの潜在的なユーザーがいるマーケット、つまり、100万本ではなく、600万本の出荷が可能なマーケットに興味を持っているのではないかと考える」

「われわれも、日本のPCメーカー、家電メーカーとパートナーシップを組みたいと考えている。すでに日本のメーカーはブランド力を所有している。どのプロセッサーを内部に搭載しているかは、重要ではない。各メーカーのブランド力で製品を販売していくことが可能だと考える」と、同氏は語った。

(報道局 西川ゆずこ)

・関連プレスリリース
http://www.cyrix.com/corpor/press/1998/pconchip.htm

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