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【INTERVIEW】2年間の調査を経て日本の個人資産管理分野に進出するマイクロソフト(前編)

1998年07月10日 00時00分更新

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 マイクロソフト(株)は、個人資産管理ソフト『Microsoft Money』日本語版を発表した。Windows98日本語版と同日の7月25日に発売される。同製品は、資産管理のほか、ホームバンキング、ライフプランニングなども行なえ、世界で年間1000万本を出荷、米国では2200万世帯以上で使用されている。

 日本語化にあたっては、2年前から市場調査を行ない、ユーザーニーズとして高いものは積極的に取り入れる努力を行なってきたという。個人資産管理分野でもトップシェアを目指す米マイクロソフト社のデスクトップファイナンス事業部Money統括事業部長であるRichard Bray(リチャード・ブレー)氏にお話を伺った。



----Moneyについて説明してください。

「Moneyは、一般家庭の消費者を意識した個人資産管理製品で、この製品を使うことによって、自分のお金がどのような形でどこに流れているのか、自分は貯金ができているのかといった自分の資産環境を、日常レベルでうまくコントロールしてもらいたいと考えています」

「また、ライフプランニングの観点から、将来自分がどういう形でどういうことを行なっていきたいのか、そうしたモデルも扱える機能をそろえています。例えば、新しく家を買う際にローンを組みたいとか、仕事を辞めてこれから引退生活に入るとか、自分の子どもを大学に入れなければならないといったことが発生すると思いますが、そうした短期的あるいは長期的な観点から、自分の資産環境を効率的に管理するための製品であると考えていただければと思っています」

「ご存知のようにインターネットが普及したことによって、個人と、銀行や証券会社などの金融機関との距離が非常に短くなっています。そうした金融機関の情報をMoneyに取り込んで、自分たちの資産をこれまでよりもより効果的に管理してもらいたいというのが私どもの願いです。また、各国のローカルマーケットを特に意識した製品展開と、そのためのサポートを行なうということも、重要な目標になっています」

----個人資産管理分野の市場は、現在どのような形で成長しているのでしょうか。

「この1年でいわゆる個人資産管理のソフトが、2000万本発売されています。実際に、一般家庭がPCを買う理由のひとつが、この個人資産管理にあると言われており、米国では、一般家庭の50パーセントが、PCを使って自分たちで資産を管理したいと考えているという状況になっています。米国以外のところでも、少し時間はかかるかもしれませんが、だんだん同じような普及率になっていくのではないかと考えています」

----市場の成長要因は何でしょう。

「現在、この分野を引っ張っている3つの重要な要因があると私どもは考えてます。まず第1に、一般世帯を取り巻いているファイナンスの環境が非常に複雑になってきているということ。世界中で規制緩和が進行している中で、これまで考えられなかった種類や数の金融製品やサービスが出てきています。特に米国では、次々と新しい投資製品や住宅ローン製品などが提供されており、調査によると、1個人が7つ以上の金融機関と関係を持っているという状況です。このような複雑な環境の中で、よりよい投資をするために情報を得て、知識を身につけるということが重要なテーマになっていると思います」

「また、これまでは、自分が仕事を辞めた後どうなるのかということは、自分が勤めている会社や政府機関の方で心配をしてくれたわけですが、最近は、リタイアした後どういう生活をエンジョイしたいのか、自分で責任を持って決めなければいけないという風潮が非常に強くなってきています。これが2番目の要因です」

「最後の成長要因として、PCを使ってインターネットを利用する人が非常に増えてきているということが挙げられます。インターネットを通じてリアルタイムで、株価情報や、貯蓄、住宅ローンの金利情報を得ることができます。そうした情報と、Moneyの中に蓄えているさまざまな情報を組み合わせることによって、前もって自分が取るべきアクションを決めることができますし、そのためのアドバイスを提供することが可能だと考えています」

----日本語版を今回出す理由は。

「主な理由は3つあります。まず第1に、日本は家庭にもたくさんのPCが普及しており、私どもにとってビッグマーケットであるということ。2番目の理由は、日本のPC市場でも、これから個人資産管理の類の製品が出てくるのではないかということです。具体的な背景として、日本でも金融ビッグバンが発生している中で、この時期にMoneyを導入するのは正しいタイミングであると考えています。この製品を使うことによって、自分の資産環境は自分でもっと頭を使ってコントロールできるのではないかとたくさんの人が考えるのではないかと思います」

「それから3番目の理由ですが、私どもは東京に開発スタッフを持っていまして、彼らを中心として、日本でMoneyに関する基本的な調査を行ないました。特に日本が持っているカルチャー、金融システムの中で、どのような製品であれば本当に日本のユーザーに使ってもらえるのかというところに焦点を当てて調査を行なってきました。したがって、ユーザーの意見が反映された製品であると考えています。またMoneyは今後さらなるフィードバックをユーザーからいただいて、さらに改善していきたいと考えています」



----インテュイット社のQuickenと比較してのMoneyの優位点を教えてください。

「日本ではまだQuickenが出ていませんので、あくまでも米国の市場ということでお話しします。この1年、私どものMoneyは非常に高い専門家の評価を得ていますが、特に評価されている点として、先程もお話しましたライフプランナー機能を挙げることができると思います。それからQuickenと比べて、Moneyはより多くの金融機関と接続されているということ。実際に米国で約200の金融機関と、インターネットまたは直接Moneyを通じて接続されています」

「さらにもうひとつ、投資管理機能においても私どもの方が非常に優れていると評価されてます。私どもは『Microsoft Investor』というものをMoneyとバンドルして提供しています。米国世帯の50パーセントが何らかの金融製品に投資しており、その多くがインターネットを通じて行なっているということで、Investorは高く評価されています。通常の小切手や口座を扱うだけでなく、こうした投資の観点からいろいろなアドバイスを提供できるという点が特に評価されている理由だと思いますし、これによって米国での私どものシェアもかなり伸びてきています」

----電子マネーへの対応について教えてください。

「先程たくさんの金融機関とMoneyは接続できると言いましたが、電子マネーに関しても基本的には考え方は同じです。金融機関の方でいろいろな方式/製品を出しているわけですが、当然すべてを対象として検討していきたいと考えており、現在数多くの金融機関と話し合いを進めています。具体的には銀行のコンソーシアムのようなところから電子マネーの標準というものが出てくると思いますが、それがどんな標準であれ、マイクロソフトとしては、サポートしていかなければならないと思っています。また電子マネーに関しては、レシート機能などもきちんと組み込んでいきたいと考えています」

(以下、後編に続く)

聞き手:月刊アスキー 笹川達也
構成:報道局 桑本美鈴

http://www.microsoft.com/japan/products/money/

[Moneyの製品情報は、7月18日発売の『月刊アスキー 8月号』に掲載されます。また、このインタビューの詳細は、8月18日発売の『月刊アスキー 9月号』に掲載されます]

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