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【MACWORLD Expo】ニューヨークで明日開幕のMACWORLD Expoを直前リポート

1998年07月07日 00時00分更新

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本リポートは、米国時間7月6日(日本時間7月7日)に、設置準備中の会場やニューヨークの街中で目にした数々の情報をまとめ上げたものです。


 つい先日、ゴジラに襲われたばかりのニューヨークを、今度は復興への躍進目覚ましいカリフォルニアのアップルコンピュータ社が襲おうとしている。



 ここでは七夕(日本時間8日)から米国で開催する(*1)“MACWORLD Expo the Creative World”直前のビッグ・アップル(ニューヨークのこと)の模様をリポートしたい。

*1:展示場が開くのは米国時間8日(日本時間9日)

 Expo直前のマンハッタンでは、主要な観光地にアップル社の広告が目立っている。 ブロードウェイの中心にあるタイムズ・スクエアーにはお馴染み“Think Different”のメッセージと人気の古典コメディー番組“ルーシーショー”を使ったアップル社のビルボードがでかでかと飾られていた。



 一方、市長舎のあるダウンタウンの地下鉄の駅には“Sleek Preview”と書かれたiMacの広告や"I think therefore iMac(我思う故にiMac)"と書かれた広告が・・・・・・

 



 さらにその市長舎すぐ脇にある老舗のコンピューターショップ、J&R(もともとはレコード屋として大きくなった。Power Macもこの店が一番最初に販売を開始した)ではすでに店内にiMacが展示してあり誰でも自由に触ることができた。やはり今回のExpoでもっとも中心の話題となりそうなのが、このiMacだ。

 



 まだ準備段階にあるExpo会場、Jacob Javits Centerに足を運んでみた。



 会場内のアップルが展示予定の場所を外から覗き込んでみると、「iMac fashion Statement - Sorry, No Beige」(iMacファッション宣言:残念ながらベージュ色は取り扱っておりません)といったiMac関連のバナーが目立つ。



 数あるバナーの中でも気になったのが「iMac listens Better-56K Modem Now」(iMacは<ユーザーに>耳を傾けている-今はモデムが56K)。



 5月に発表になったiMacは1299ドルの廉価版パソコンでありながら、モニターを内蔵し、USBや100Base-Tといった高性能な周辺機器を内蔵していた。しかし、なぜかモデムだけ、今となっては時代遅れの33.6Kbpsを採用しており、これに対して多くのユーザーがクレームを送っていた。どうやらアップルはこうしたユーザーの意見に耳を傾けたようだ(同時に100Base-Tを使ってケーブルテレビモデムやADSLの展示も行なわれるはずだ)。

 iMacがメインのExpoとあって、メイン会場の端には“Content@Home(家庭向けコンテンツ)”というかなり大きなセクションがある(J&Rの店員の話ではここがiMacの展示の中心となるようだ)。



 ここで、もうひとつ気になるのが、この“Content@Home”の垂れ幕の上に何故か米ウォルト・ディズニー社のロゴマークがあるのだ(写真では見にくいが)。

 ここ数ヵ月、アップル社とディズニー社が急速に接近しつつあるという情報がある。現在、アップル社で指揮を振るっている暫定CEO、スティーブ・ジョブスは映画、『TOY STORY』の制作を行なった米ピクサー社のCEOでもあり元々ディズニーとの交友は深い。

 さらに一昨年にはアップル社の特別研究員として同社と関係が深い、アラン・ケイ氏(パソコンの生みの親とも言われている)がディズニー・フェローとして同社に移っている。アップルが業績不振だった昨年の初め頃にはディズニーがアップル社を買収するという噂がたったほど実は両者の関係は親密だ。

 そのディズニー社がなぜ? ただ、風のうわさではiMac発表にターゲットをおいて両者が大きなプロジェクトを進行させているらしい。そして、今回のExpoの基調講演にスティーブ・ジョブス氏がカリフォルニアにあるアップル本社からではなく、フロリダにあるディズニーの本社から衛星生中継で参加するという噂もある。

 さらに、配布前のプログラムを見ると、Disney Online社が出店予定で、『Blast's Mac』という製品を(Content@Homeでも)目玉として展示するようだ。

 日本時間8日深夜の基調講演が待ち遠しい限りだ。

 サードパーティーの展示でもiMacが発表された翌週にiMac用のUSB仕様のスーパーディスク(フロッピーの読み書きにも対応した120MBのカートリッジメディア用ドライブ)を発表したイメーション社がかなり大きなブースを構えていた。また、既存のMACにUSBポートを追加する製品を既に5月のWorldWide Developers Conferenceで発表済みのCMD Technology社も出展する。

 MACWORLD Expo NY 98 Creative WorldはiMacの発表時と同じくらいわくわくするイベントになりそうだ。(取材・文 林 信行)

●おまけ

数々の異才・奇才を集めたアップル社の"Think Different."キャンペーンの広告に新たにマイルス・デイビスが加わったようだ。しかし、いずれ日本の芸術家が加わる日も来るのだろうか? 数々の異才・奇才を集めたアップル社の"Think Different."キャンペーンの広告に新たにマイルス・デイビスが加わったようだ。しかし、いずれ日本の芸術家が加わる日も来るのだろうか?


米国教育市場限定の商品のため日本はおろか米国でもなかなか見ることのないPower Mac G3 All-In-Oneの箱。 米国教育市場限定の商品のため日本はおろか米国でもなかなか見ることのないPower Mac G3 All-In-Oneの箱。


マックに注力しニュートンは切り捨てるというジョブス氏の戦略の影響か、パワーマックが発表された'94年3月に、ニューヨークにオープンした世界初のニュートン専門店、“the NewtonSouce”は閉店し、店舗は差し押さえとなっていた。考えてみれば筆者がこの店を訪れたのは開店直前(Power Mac発表の日)の2回だけだった。マックに注力しニュートンは切り捨てるというジョブス氏の戦略の影響か、パワーマックが発表された'94年3月に、ニューヨークにオープンした世界初のニュートン専門店、“the NewtonSouce”は閉店し、店舗は差し押さえとなっていた。考えてみれば筆者がこの店を訪れたのは開店直前(Power Mac発表の日)の2回だけだった。



林信行氏Profile
MacPowerおよびMacPeople誌アドバイザー。両誌では主にアップル社の動向や新技術関連の記事、さらに人とコンピューター関係やインターフェースデザインに関する記事を手がける。

[詳細記事は、弊社Macintosh情報誌『MacPower 8月号』(7月18日発売)をご覧ください]

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