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【INTERVIEW】一貫したサポートが恒陽社の強み-QuarkXPress4.0発売について石塚氏に聞く

1998年07月02日 00時00分更新

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 (株)恒陽社印刷所は老舗の印刷会社であると同時に、グラフィックスやDTP(Desk Top Publishing)ソフトウェアの販売などを手がける一面も持っている。恒陽社において印刷デジタル化の先鋒を務めてきた石塚晃さんに、3日に発売が開始されるQuarkXPressなどについて伺った。

恒陽社の石塚晃氏恒陽社の石塚晃氏



一貫したサポートが恒陽社の強み

----『QuarkXPress 4.0 日本語版』がようやく発売されますね。

「はい。当初は6月19日を予定していましたが、量産の遅れでMacintosh版は3日、Windows版が14日に発売となります。昨年11月に私どもと米クォーク社とは販売代理店契約を結びました。私どもは印刷会社としてこれまで培ってきたノウハウと視点で、サポートできると考えています。裏付けとなるような検証や出力まわりの情報収集を自分たちがユーザーとなって行なってきました」

「Quarkユーザーの中心となるデザイナーには出力、印刷までのサポートが必要です。一貫したサポートを提供できる代理店は私たちが初めてではないでしょうか」

----今回の発売からWindows版も導入されますが、新たな工夫などはありますか?

「Windows版にはMacintoshデータをMOなどにマウントできるディスクマウンターソフト『Here & Now』やクリップアート集を添付して販売します。QuarkユーザーのほとんどはMacintoshデータをたくさん持っています。『Here & Now』により、そうしたデータを拡張子変換の手順を踏まずにWindows機のMOに直接マウントできます」

「フォントや出力時の問題、ほかのアプリケーションとの互換性など、Windows DTPにはまだまだ未解決の部分が多いのですが、『QuarkXPress』は一般の企業にとっても一つの起爆剤になるのではないかと思います。発売直後は、Macintosh版とWindows版で8:2の割合になると考えています」

バージョンアップの価格と回数の関係?

----Windowsユーザーには初めての買い物で30万円程度の出費を余儀なくされますが。

「確かにWindows版が“2割”という数字は微妙でしょうね。単品でおそらく店頭価格25、6万円前後、バージョンアップで約10万円。クォーク社はこの価格設定について、「4年ぶりのバージョンアップに盛り込んだ高機能化の対価」としています。とは言え、Windowsユーザーがいちからこのソフトを購入するとなるとかなりの高額だと感じられるかもしれません」

「しかし、競合ソフトの中には数万円のバージョンアップ料で、非常にこまめに改訂しているところもあります。それと比べると、出費の総額はあまり変わりません。これはマーケティングの差というところでしょうか。私たちはサポートの充実や卸・販売店を中心とした勉強会といった面を一層強化していきたいと考えています」

----恒陽社では『QuarkXPress』のほかにライブピクチャージャパン(株)のフォトレタッチソフト『Live Picture』も販売されていますね。

「ええ。写真家やデザイナー、グラフィックアーティストといったプロフェッショナルの方に愛用されています。このソフトのメリットは、フォーマットの一つにFlashPix形式があること。FlashPixのイメージをWebブラウザーで表示すれば、非常に大きく拡大しても高画質で見ることができます。例えばWeb上の通信販売ページで洋服を買うとします。普通、同じところを何度も拡大していると、画素が単に大きくなるだけでディテールまでみることができません。FlashPixは、質感や銘までそのままのクォリティで拡大されるので詳しく見ることができます」

情報資産管理が今後の主要課題

 印刷会社としてのノウハウを蓄積してきた恒陽社と、DTP業界の雄クォーク社との組み合わせは、新しい価値を生み出しうる。一般企業がDTP工程を内製化してしまうため、印刷業者の多くは最後の印刷と製本の仕事だけをダンピングして取り合う状況に陥っている。恒陽社が単独の商売としてはあまり利益が上がらないエンドユーザー向けのソフトパッケージの販売を導入した裏には、2つの意図があると考えられる。

 第1は、一般企業やデザイン事務所の社内DTPシステムのシステムインテグレーション業務の分野を拡大することである。第2は、一般企業内のDTPデータの資産をがっちりつかむことで、本業の印刷業務の発注者確保に寄与することだ。クォーク社では『QuarkXPress』を中心とした情報資産管理システム『Quark Digital Asset Management System』を開発中である。この面において両社の思惑が合致し、この目論見が成功すれば、一般企業の情報資産管理にも影響してくる。(千葉英寿、報道局 清水久美子)

・(株)恒陽社印刷所 
 http://www.koyosha.co.jp/solutions.html
・クォークジャパン(株) 
 http://www.quark.co.jp

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