“WINDOWS WORLD Expo”開幕直後に行なわれた基調講演では、マイクロソフト(株)代表取締役会長の古川享氏が壇上に立った。テーマは、“The
Future of Windows”。7月25日に日本で発売される『Windows98』のデモを中心とし、WindowsNT、Windows98、WindowsCEからなるWindowsファミリーの方向性などについて語った。
Windows98は、米国では去る6月25日に発売。現在では国内でも一部のPCショップで購入できる。すでに各誌紙で内容については掲載されているが、同氏は改めて7つのポイントに絞り、わかりやすく解説した。
“1.パフォーマンスの向上”。デモではふたつの大画面を用意し、Windows95とWindows98でフォトレタッチソフト『Photoshop』の起動に要する時間を比較、確かに2分の1程度で初期画面を表示することを証明してみせた。
次に“2.PCを使いたいときにすぐ使えるように”。効率よく電源のON/OFFを行なう“On
NOW”機能を搭載。ディスプレーなどに付いたスリープボタンを押すと、一時的に電源を付けたり消したりできる。「無駄な電気代もかからないということです」
“3.インターネットとWindowsがひとつに”。ハードディスクの検索など、Webの閲覧以外の作業もブラウザー画面で行なえる。“4.周辺機器の接続がシンプルに”では、USBの機能が解説された。スキャナーとの接続のデモも行ない、「周辺機器に付いたボタンを押すと、Windows98の画面に専用アプリケーションが立ち上がる」という機能を紹介した。
高精細グラフィックス、高品質なオーディオも売り。“5.ゲームもよりエキサイティングに”、“6.DVDでデスクトップがシアターに”も実現できるという。
“7.マルチモニターでもっと便利に楽しく”では、1台のPCで2台のディスプレーを操作できる機能が実演された。「一方でブラウザーを見ながら、もう一方でワープロをする。一方だけずっとメールソフトを立ち上げるなどというのも便利」
Windowsファミリーについても、その概要を説明した。来年の発売が予定されているWindowsNT5.0は、「パワーユーザーのためのOS。Windows98のスーパーセットという位置づけになる。“IntelliMirror”というミラーリング機能によって、ハードやCPUがダウンしてもデータが保護される」などと解説。WindowsCEについては、「車載PCや小型デバイス、先日発表したゲーム機“Dreamcast”などへ搭載するOS。OSのサイズは最小で、出荷数量ではもっとも大きくなっていくだろう」とし、「Windowsファミリーによって新しい社会生活を提案していきたい。まずは7月25日をお楽しみに」と講演を締めくくった。
展示会場でも、マイクロソフトのブースは大盛況。Word98、Publisher98のデモなども行なわれていたが、やはり来場者一番のお目当てはWindows98。常時立ち見ができるほどの人だかりだった。参考出展としては、カシオ計算機(株)がWindowsCE搭載機を2機種、(株)セガ・エンタープライゼスがDreamcastを展示していた。
展示されていたCEマシンの一部。左の2製品がカシオ計算機の参考出展したハンドヘルドPC |
Dreamcast |
Windows98から新たにサポートされるUSB対応の周辺機器も各社が展示していた。
(株)ナナオは、USBアップストリーム1ポート、ダウンストリーム4ポートのHubを装備した18.1インチTFT液晶ディスプレー『Flex Scan L66』を展示していた。 |
(株)アイ・オー・データ機器は、USB接続のSuper Diskドライブを参考出展した。ホットプラグ機能を備えている。120MBのSuper Diskのほか、2HD/2DDのメディアにも対応している。 |
(報道局 浅野広明・白神貴司)