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【INTERVIEW】通信料の高い日本ではビジネスチャンス多し、ビエナシステムズ社長に訊く

1998年06月26日 00時00分更新

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 日本ビエナ・システムズは、カナダのビエナ・システムズ('95年9月設立)の子会社として、'97年6月に設立された。インターネット電話の開発、製造の会社である。米国の独立系の通信会社、クエストが全米125都市を結ぶシステムにビエナ製品を採用するなど、その技術が注目され始めた。日本法人の代表で、アジア太平洋の責任者でもあるドゥルー・ランドル・フライマン氏に伺った。

ドゥルー・ランドル・フライマン氏
ドゥルー・ランドル・フライマン氏



----インターネット電話とは、どのようなものですか。

 「インターネット電話には、(1)インターネットに接続しているコンピュータ同士で通信し、マイク/スピーカーや電話機をそのコンピュータに付ける、(2)コンピュータからインターネットを介して相手の電話機を呼び出す、(3)電話回線の途中でインターネットを経由するが、電話機同士で通話するなど3つに大別されます。ビエナでは、(3)の技術を中心にしています。米国の独立系の通信会社クエストは、鉄道会社を売った人間が出資者の1人となり、その鉄道脇に敷設した光ファイバーで全米125都市を結ぶ通信サービスを提供するというユニークな会社です。そこがビエナ製品を採用してシステムを構築しました」

----本社設立後、早い段階で、日本市場に注力することを決めていますね。

 「インターネット電話など新しい通信サービスを提供する企業を、ASP(Alternate Service Provider)と呼びます。ASP事業は、既存の通信サービスの料金が高くないと、普及しにくいのです。日本なら需要が急増する可能性があると見込みました」

----製品ラインについて説明してください。

 「シンクライアントと呼ぶ小さなシステムから、通常のゲートウェーを使うシステム、さらに大規模ゲートウェーを使うシステムまで多岐に渡ります。コーネル大学にいた技術者と組んで、レダンダンシー・ディペンディング・ポーティングという技術に基づき、1500ポート以上のシステムを開発しています。'99年春までに完成する予定です」

----今後の計画と今期の見通しについて教えてください。

 「来年には、H.323プロトコルに基づいたコールプロセッシングサーバーを出します。'99年3月期の年商は、8億円から9億円になる見込みです」

 フライマン社長は、日本のあるインターネットプロバイダーに在籍していたとき、ビジネス分野のアプリケーションにも業務範囲を拡大しようと模索した。そのとき、設立後間もなくで、まだ製品もないビエナの技術と出会い、それに賭ける決断を下した。既存の電話サービスの料金が劇的に下がるまでは、ビエナに追い風が吹く。7月には、アジアのある国と大きな商談がまとまるという。(報道局 中野潔)

http://www.viennasys.com/

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