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【IVR'98】9社が、同一テーマで作ったバーチャル空間の比較を実施

1998年06月18日 00時00分更新

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 開催中の“第6回産業用バーチャルリアリティ展”で開かれたセミナーにおいて、バーチャルリアリティー構築ソフトを扱う9社が、“自動車(独VW社の『JETTA』)のバーチャルショールーム”という同一テーマで作成したバーチャル空間の比較を実施した。

 今回のバーチャル空間比較に参加したのは、パソコン部門の4社(旭エレクトロニクス(株)、エーアイキューブ(株)、(株)ヴァーチャルリアリティーセンター横浜、アダムネット(株))と、ワークステーション部門の5社(日商エレクトロニクス(株)、(株)CRC総合研究所、(株)ソリッドレイ研究所、(株)レクサーリサーチ、(株)エヌ・ケー・エクサ)。

 この9社の中で、特に注目を集めたのは、CRC総合研究所とソリッドレイ研究所の2社。他社が、バーチャル空間の中に置いた自動車のボディーの色を変えたり、周囲の景色を変えたりといったレベルのバーチャルショールームに終始したのに比べると、この2社はインタラクティブな操作もできるような空間を作っていた。



 CRC総合研究所は“ピンチグローブ”という手袋を両手にはめて、バーチャル空間を歩き回ったり、クルマの部品(写真の中では白色のバンパー)を取り替えたりすることができる(ソフトは米MultiGen社の『MultiGenII』と『SMARTSCENE』を使用。



 また、ソリッドレイ研究所も、“BeeBox”というジョイスティックで、バーチャルショールームを歩き回り、“サイバーグローブ”でクルマの部品を取り替えたりできるようなシステムを作り上げていた(ソフトは同社の『RealMaster』を使用)。



 同セミナーの監修を務めた廣瀬通孝東大助教授が、「このイベントは、内部的には“バトル”と呼ばれています。成熟した業界では、なかなかこういう試みはできないのですが、VR自体が歴史が浅く、各社とも頑張ってくれています。1回目は新幹線のぞみ、2回目は東京ピッグサイトがテーマだったのですが、機械系のVRにも挑戦して欲しいということで、今回はクルマをテーマに選びました。全部は見られませんでしたが、全体にCGの動きがかなりよくなっていると感じました。また、映像のクオリティーもかなり良くなってきているというのが実感です」と講評を述べた。そして、「次回は、以前は各社が嫌がって没になったテーマ“人形”に挑戦してもらおうかと思っています。また、過去のソフトと比べて、現在のバーチャルリアリティーがどれくらい良くなったかを比較する場も今後は持ちたい」と締めくくった。(報道局 佐藤和彦)

http://www.reedexpo.co.jp/

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