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NTTオープンラボ、第一回シンポジウムを開催

1998年06月12日 00時00分更新

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 NTTマルチメディアシステム総合研究所が主催する“NTTオープンラボ第一回シンポジウム”が、港区のラフォーレミュージアム六本木で開催された。午前中は“メディアの需要と変容”および“マルチメディア・アーカイヴ”、午後には“デジタル・シアター”、“経済取引”の各セッションについて、'97年1月に発足してから現在までの活動状況の報告と今後の展望が語られた。

マルチメディア時代のメディアの需要と変容について

 まず、“メディアの需要と変容”について、同セッションを代表して、東京女子大学助教授の黒崎政男氏が発表を行なった。マルチメディアが今後、社会に根づくと考えた場合、日本社会はどのようなマルチメディアを受け入れるのか、そしてそのことによって日本社会はどう変容するのか、というふたつのポイントをテーマとして設定し、計16回の探求、議論を行なったという。

その成果は、
・技術と社会の内的関連
・マルチメディアは空間全体の再配置を推進する
というふたつの点に集約されたという。

同氏は特に後者について、電子メールや携帯電話、テレビ電話などによって空間の再配置はすでに起こりつつあると語った。

“知”のデジタル化と“マルチメディア・アーカイヴ”

 次に、東京造形大学助教授の桂英史氏が、“マルチメディア・アーカイヴ”について報告を行なった。桂氏は、インターネットの急速な普及に伴い、マルチメディア時代の“知”のデジタル化とそのコンテンツの集約・管理が不可欠であるとし、探求を進めてきたという。マルチメディア・アーカイブの実現にはデジタル化に伴うコストと、その労力に比べてあまりに低い評価しかなされないことに問題があり、その解決にはマイナスイメージの払拭が必要だという。

 同氏はまた、インターネットに人々が夢中になるのは膨大なデータとアクセス・操作の簡便性によるもので、情報のボトム・アップによるスケールメリットが生み出された好例だという。同セッションは今後、さらなる検索の効率化と、データの急速な増加にどう取り組むかを研究していくという。

 午後には、レクチャーを行なうための新しい道具としての“デジタル・シアター”について、慶応義塾大学教授の奥出直人氏が、そして、インターネット時代の新しい経済のあり方について“経済取引”探求セッションを代表して、東京大学助教授の須藤修氏が、それぞれ報告を行なった。(報道局 白神 貴司)

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