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CATV業界最大のイベント“ケーブルテレビ'98”が開幕

1998年06月10日 00時00分更新

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 CATV業界において国内最大のイベント“ケーブルテレビ'98”が本日、東京・池袋で開幕した。計118社のCATV関連企業が出展しており、明日からはシンポジウムや分科会も開催される。入場料は無料で、会期は12日まで。



 '97年3月の時点で、CATV事業者は700社、加入者は500万世帯を突破。デジタル多チャンネル化の流れの中で、CATV業界は既存のTV放送との差別化を図るべく、安く高速に双方向通信が行なえるという特徴を真剣に捉えている。展示会場でも、CATV回線をインターネットやイントラネットにどう活かすかという製品がメインとなっている。

 また、既存メディアとの融合もひとつのポイント。(株)日立製作所や富士通(株)のブースでは、デジタル衛星放送をCATV回線で流すためのデジタルセットトップボックス(STB)を展示。富士通によると、「デジタル衛星放送用のSTBが標準化されていないため発売は見合わせています」とのこと。標準化は今年中に完了する予定で、同社は来秋をめどに販売を予定しているという。一方、日立は独自の仕様を用いて、鹿児島ですでに試験運用を開始している。そのほか、日本電信電話(株)のブースではCATV放送を光ファイバーで視聴者に提供する“CATV映像伝送サービス”(横浜市で試験運用中)を、日本放送協会(NHK)のブースでは、CATV回線でハイビジョン映像が受信できる“ハイビジョンFMホームターミナル”を展示していた。



 CATVネットワークを利用した製品、サービスをざっと見てみる。

 CATVケーブルでデータ通信を行なうためのケーブルモデムは、日本モトローラ(株)、松下電器産業(株)、富士通(株)、マスプロ電工(株)、(株)東芝、日本電気(株)ら多数が展示、NTTのブースでは、双方向通信対応ケーブルモデムだけでなく、米スリーコム社が開発した一方向に27Mbpsのデータ送信が行なえるケーブルモデムも見られた。

 日本電気(株)は、デジタルカメラ、マイク付きインターネット端末『MULCO』を展示。アナログ回線対応版はすでに発売されているが(7万5000円)、7月にCATV対応版を発売するという。価格などは未定。「リモコンでインターネットにアクセスできるだけでなく、画像、音声付きのEメールも作成できます」とインストラクターのお姉さん。



 NC(ネットワークコンピューター)関連製品もしばしば見受けられた。ネットワークシステムの構築などを行なうサイバー・ネット・コミュニケーションズ(株)は、NCとサーバーをCATV回線で接続したシステムを展示。専用の接触型ICカードを挿入し、ユーザーが認証されるとサーバーからNCにアプリケーションをダウンロードできるシステムで、実際に四日市市の駅やスーパーなどで導入されているという。



 地域に密着したCATVならではのサービスは、今後も注目できる。たとえば、NTTデータ通信(株)が昨年から提供している生活情報サービス“Virtual N-Town”は、CATV回線を利用して地域情報や気象情報などを提供するだけでなく、オンラインショッピングや対戦型ゲームなどが行なえる。



 CATVとは少し離れるが、CTI(Computer Telephony Integration)に関する展示もあった。写真はNTTが提供する電話番号表示サービス“ナンバーディスプレイ”に対応したHub(PC4台接続可能)で、「受信した電話番号をPCに取り込み、データベース化したり、地図とリンクさせることで送信者の位置をPCから認識できる」というもの。都築電器(株)が10月ごろ発売予定。



(報道局 浅野広明)

http://www.catv.or.jp/

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