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松下電器、動画から任意のモデルを切り出す技術を開発

1998年05月28日 00時00分更新

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 松下電器産業(株)は、動画の収録時に、被写体の奥行き情報が計測できる“デュアル変調方式レンジファインダー技術”を開発したと発表した。毎秒30フレームの速度で、各ドット単位(754×484ドット)の奥行き情報が計測できるという。この技術によって、TV映像から任意の被写体や背景を切り出すことが可能となる。

 装置としては、カラー映像用カメラのほか、奥行き情報を計測するための赤外線カメラ、赤外線レーザー照射機などを設置。カラー映像と奥行き情報を同時に入手する。奥行き情報により、各被写体の切り出しが行なえ、同社によると、「被写体だけ取り出して自由に加工できるほか、次世代のデジタル放送において、重要な被写体を符号化し、データを持たせることもできる。また、立体放送にも応用できる」という。

(左)赤外線カメラで捉えた画像。(中央)デュアル変調方式レンジファインダー技術により得られた奥行き画像。白いほど手前にある。(右)奥行き画像の俯瞰図。
(左)赤外線カメラで捉えた画像。(中央)デュアル変調方式レンジファインダー技術により得られた奥行き画像。白いほど手前にある。(右)奥行き画像の俯瞰図。



 同技術は、ふたつの要素技術により構成されている。

・デュアル光強度変調方式

 奥行き情報を知るため、赤外レーザー照射機から被写体に向け、光強度の異なる2種類のレーザー光を照射する方式。2種類のレーザー光は、一定のパターンに基づき、時間的に変調する。

・リアルタイム光強度/奥行き情報変換技術

 赤外線カメラで取り込んだ、2種類の反射光(被写体で反射したレーザー光)の強度比を利用して、リアルタイムで奥行き情報を割り出す技術。毎秒30フレームで、ドット単位の奥行き情報が計算できる。計算には汎用のコンピューターが使用可能という。

 これらの技術は郵政省の認可法人、通信・放送機構(TAO)の委託を受けて開発したもの。同社では、今後もTAOとともに実験を続ける予定で、2001年の実用化を目指したいとしている。(報道局 浅野広明)

http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn980528-4/jn980528-4.html

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