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【INTERVIEW】米Nintendo、Zelda 64は今年後半発売

1998年05月19日 00時00分更新

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 米国ではPCゲーム業界、コンシューマーゲーム業界ともいまだ著しい伸びを示している。5月27日から米国アトランタで開催されるゲーム業界最大のイベント“The Electronic Entertainment Expo(E3)”を控え、米国のコンシューマーゲーム業界でかなりのシェアを誇るNintendo of Americaの広報マネージャーBeth Llewelyn(ベス・ルウェリン)氏にお話を伺った。



----米国で発売される予定の新製品ゲームを教えてください

 「たくさんありますのでビッグタイトルだけ説明しますと、4月にNBAのバスケットボールゲームを発売したのに続き、5月26日に今度は『All-Star Baseball '99』というメジャーリーグの野球ゲームを発売します。6月末には『Banjo-Kazooie』が出ます。これはDonkey Kongを作ったRare社が開発した3Dアドベンチャーゲームです。くまのBanjoに鳥のKazooieが乗っていっしょに冒険をするものです。7月末にはゴルフゲームの『Waialae Country Club:True Golf Classics』を発売しますまた、今年後半には『F-Zero X』、そして『The Legend of Zelda:The Ocarina of Time(Zelda 64)』が出ます。Zeldaは、カートリッジ版とNintendo64 Disk Drive版の両方がリリースされます。開発は日本の宮本チームが担当しており、米国で作っているのではありません。ZeldaはE3で参考出展しますのでぜひ見にきてください」

----今年の事業展開はやはり64が中心ですか

 「はい、われわれは今年は特に64に特に焦点を合わせています。ほかにも数々の64のソフトを発売していく予定です」

----ソフト以外での今後の予定は

 「6月1日に日本でも話題になったゲームボーイカメラを発売します。また、詳細は言えませんが今年後半にはカラースクリーンのゲームボーイを出す予定でいます」

----ポケットモンスターについては



 「日本のTV番組の事件はこちらでも話題になりましたが、米国ではまだ製品販売はしていません。こちらではポケットモンスターではなく『ポケモン』というタイトルで、今秋にゲームやグッズなどを発売し、展開して行きます。9月からはテレビ放映も開始されます」

----Nintendo64の米国での出荷台数は

 「現時点での正確な数字はわかりかねますが、当初の予想である750万台を上回っていることは確かです」

----日本ではSony PlaystationがNo.1ですが米国ではNintendo64が大きなシェアを占めています。これには何か文化的相違があると思われますか

 「難しい質問ですが、米国の場合を申し上げますと、米国ではソフトが大変よく売れました。ソフトが売れたからハードも売れたのだと思っています。われわれはその時々に適したソフトを正確なスケジュールでタイミングよく出していますので、それがソフトの売れる要因だと思います」

----米国ではPCゲームが盛んですが、Nintendo64のようなコンシューマーゲームとPCゲームとが競合するようなことはないのでしょうか

 「われわれはPCゲームとコンシューマーゲームは両立できるということを発見しています。現在米国では両方の業界それぞれが伸びていまして、特にコンシューマーゲーム業界は前年度に比べて50パーセント増加しています。これはPCゲームよりも高い数値です。今年は米国内で60億ドル以上になるだろうと言われています。米国の人々は、PCゲームとコンシューマーゲームのどちらか片方だけに固執するのではなく、両方好きで、両方とも持っている方が大変多いのです」

----日本ではPCゲームよりコンシューマーゲームの方がソフトの販売本数で圧倒的に強いようです

 「米国ではすでにPC、コンシューマーゲーム機とも家庭に浸透しています。両方とも子供向けソフトが充実してますので、子供は小さなころからそれらに触れて楽しむことができます。日本は米国ほどPCが家庭に浸透していないので、コンシューマーゲームの方が子供には人気があるのでしょう」

----マイクロソフトとセガの共同開発によるセガの次世代機に対してはどうお考えですか

 「その話はわれわれも聞いています。近々発表されるようですが、現時点ではなんとも言えません。なにしろまだ何も見えていませんから。現在は両社の動きを静観している状態です。もちろん、その次世代機の概要などが明らかになった時点で即対応していくつもりです」



 ところで、同社には、訪れた人向けに製品などを展示している広いスペースがある。店頭での製品ディスプレーの見本も兼ねており、さしずめ“任天堂博物館”といったところだ。案内係員の方の説明を受けながら見学させていただいた。

写真1 “任天堂の歴史”と称し、これまで任天堂が発売した製品を年代別に展示。案内係員曰く「これで“花札”とはどういうものか説明するのが楽になった」 写真1 “任天堂の歴史”と称し、これまで任天堂が発売した製品を年代別に展示。案内係員曰く「これで“花札”とはどういうものか説明するのが楽になった」


写真2 世界各国で販売されている任天堂グッズ。日本、米国、カナダ、中南米を中心に、フランス、オーストラリア、ドイツなどでも発売されているという。 写真2 世界各国で販売されている任天堂グッズ。日本、米国、カナダ、中南米を中心に、フランス、オーストラリア、ドイツなどでも発売されているという。


写真3 病院に入院中の子供たち向けに開発された『Starlight Foundation』。ベッドに寝たままゲームを楽しめるというもので、同社はこのシステムを複数の病院に寄付している。 写真3 病院に入院中の子供たち向けに開発された『Starlight Foundation』。ベッドに寝たままゲームを楽しめるというもので、同社はこのシステムを複数の病院に寄付している。


写真4 同社のカスタマーサポートセンターには、毎日数千件もの電話がかかってくる。電話サポートは月から土曜日が6時から21時まで、日曜日が6時から19時まで、手紙、電子メールは年中無休で受け付けている。サポートセンターでは、現在何本の電話に応待し、何本の電話が待機中か係員が随時確認できるようになっている。また、その週にかかってきた件数および応対件数、さらに誰が何件サポートしたかなどを集計しており、社員全員が確認できる。 写真4 同社のカスタマーサポートセンターには、毎日数千件もの電話がかかってくる。電話サポートは月から土曜日が6時から21時まで、日曜日が6時から19時まで、手紙、電子メールは年中無休で受け付けている。サポートセンターでは、現在何本の電話に応待し、何本の電話が待機中か係員が随時確認できるようになっている。また、その週にかかってきた件数および応対件数、さらに誰が何件サポートしたかなどを集計しており、社員全員が確認できる。


写真5 ゲームからグッズまで、新製品が社員全員に確認できるようすべて展示されている。 写真5 ゲームからグッズまで、新製品が社員全員に確認できるようすべて展示されている。


(報道局 桑本美鈴)

http://www.nintendo.com/

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