【INTERVIEW】欧文印刷・清水勲氏「ブラウザー利用のグループウェアを開発中」

1998年05月01日 00時00分更新

　欧文印刷（株）取締役デジタルメディア事業部長の清水勲氏に、現在開発中のグループウェア『WebSapiens』について、詳しくお訊きした。清水氏は、WebSapiensの開発をほぼひとりで手がけており、ただいま最終調整の真っ最中。5月中旬には、欧文印刷と（株）スタッフ・エスによる合弁会社、（株）オリーブよりリリースする予定だという。

	清水勲氏。数年前に欧文印刷に来て、まず社内のイントラネット構築を指揮した。「この歳（53歳）になって、関連書を厚さ1mは読んだし、ディスプレーも見続け。おかげで目の出血がひどくってね」

----WebSapiensの特徴を挙げるとすれば。

　「クライアント端末からWebSapiensへのアクセスはブラウザーで行ない、Windowsからでも、Macintoshからでも、パスワードとＩＤを入力するだけでアクセスできるのが最大の特徴です。もちろん、社外からのアクセスもオーケーですし、クライアント端末に面倒な設定をする必要もありません」

----機能面ではどうでしょう。

　「全文検索機能がついた“電子掲示板”、社員の予定などを一覧表示により把握できる“スケジュール”や“会議室予約等”、各社員が個人の公開情報と秘密情報を別々に管理できる“社員名簿”などの機能があり、特徴として、まず機能の豊富さが挙げられると思います」

　「あと、名刺管理機能はちょっと自慢したいですね。これには社内全体に公開されている“共有名刺”と、個人レベルで管理する“個人管理名刺”のふたつのモードがあり、社員は共有名刺のデータを個人管理名刺に取り込んだり、逆に、個人管理名刺のデータを共有名刺に登録したりできます。また、共有名刺モードに、この人に会ってこんな話をしたなどといった最新の面会情報を書き込み、他の社員に通知することも可能です」

　「それぞれの社員には、レベル0から9まで10段階の管理権限が設定でき、それぞれの持つ管理権限によって見られる情報と見られない情報が分けられています。たとえば、管理職以上しか見られない情報というものもあるわけです」

----このソフトはすべて、清水さんが独自に開発されたのですか。

　「秋月巌ソリューション事務所から発売されているグループウェア、『Hyper GroupWeb』が、WebSapiensの土台となっています。ただ、全面構築といってもいいくらい、手は入れました。秋月さんは、もともとソースコードを開示していて、カスタマイズ大賛成という方なので、ライセンス料を秋月さんにお支払いする形になっています」

　「昨年の12月7日に、欧文印刷で開発を開始。社内で試験的に、電子掲示板やスケジュールの機能を使い始めたのが2月になります。それまでは社内メールがはびこってましてね。“落とし物しました”とか、“誰かチケット要りませんか”とか、それは掲示板でやればいいじゃないかと。今では、全社員の社員名簿も登録しています」

----現在、発売前の最終調整をされているわけですね。

　「稟議書・電子決済などのワークフロー管理、名刺データの印刷などの機能を追加したいと考えています」

----ターゲット層は。

　「今私が狙っているのは、財団や協会です。会員を抱えていますからね。官報などの報告にインターネットを使ったらどうですか、WebSapiensなら一般向けサービス、会員向けサービスも区別して行なえますよ、というわけです。ちかぢか第1号ユーザーに、納入の予定です。また、企業でいえば、500名規模がターゲットとなるでしょうね。最大1000名くらいかな」

　「2年間で売上100本はいけると思う。（有）オーアールエヌなど代理店による販売のほか、オリーブで直販も行なうつもりです。どういう形で受注できるかということを模索中というところですね」

（報道局　浅野広明）


『WebSapiens』。価格は39万8000円で、別途インストール料金が10万円。サーバーにはWindowsNT4.0、SQL Server6.5以上が必要。クライアント側のブラウザーとしてはNetscape Navigator3.0以上、Internet Explorer4.0以上を推奨している。