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【INTERVIEW】インターネットカフェの行く末は? そしてGシステムとは?

1998年04月23日 00時00分更新

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 京都のベンチャー企業、(株)ファースト・サイバースペース・コーポレーションを訪れた。同社は'95年6月、国内にいち早くインターネットカフェ“NETSURF”を開業。以来、神戸、大阪、滋賀にも店舗を展開している。そのかたわらで、マルチメディアコンテンツの企画制作や、京都の商店街を対象としたインターネットショッピング実験プロジェクトにも携わってきたという。同社技術担当取締役の清水國弘氏に、インターネットカフェの動向、現在開発中というOS『Gシステム』についてお聞きした。



――インターネットカフェの営業状況はいかがですか。

 「インターネットカフェの人気は2年ほど前がピークで、現在は必ずしもいい状態とはいえません。最近の傾向として、Webブラウジングより、Eメールの拠点として利用する人が増えているようですが、皆さん自分でパソコンを持ち始めてることもあり、急速な発展は見込めないでしょうね」

――なにか打開策は。

 「実は現在、京都の1号店を改装中で、5月初旬に新装開店します。新店舗では、京都にある研究施設“けいはんなプラザ”(http://www.keihanna-plaza.co.jp/)に拠点を置くBBCC(新世代通信網実験協議会)と共同で、“電子ジャーナル”を実験的に運営したいと考えています。これは、店内に大画面を設置し、コーヒーを飲んでいるお客さんにさまざまな情報を提供しようという試みで、まず京都新聞社、IEEEなどのデータを利用する予定です」

――インターネットカフェとしての機能は。

 「一部残します。お客さんの反応を見て、電子ジャーナルの他店舗への導入も検討したいと考えています」

――ところで、GシステムというOSを開発されているそうですが。

 「現在のコンピューターは、簡単になったとはいうものの、一般の人がプログラミングしようと思ってもまだまだ難しい。われわれは、コンピューターを自然言語で操作できないか、と考えています。日本人ならば日本語でコンピューターに命令を出せば、コンピューターがそれを解釈してプログラムを生成し、動作してくれる。これがGシステムの基本的な考え方です」

――製品化の予定は。

 「現在プロトタイプの開発を行なっています。言語認識をベースとしたハードとソフトの開発、販売体制の整備なども必要となってくるため、製品化は2001年を目標にしています」

――具体的には、どのような製品になるのでしょう。

 「音声またはキーボードによる自然言語の入力で、ワープロ、表計算、CG制作、翻訳、プログラミングなど、今のパソコンの機能がすべて行なえる、まったく新しい概念のパッケージになる予定です。また、自然言語を使って、遠隔地にあるコンピューターとデータのやり取りができるネットワーク機能も想定しています」

 「これはあくまでも想像の世界ですが、Gシステムの発展形としては電子秘書も考えられます。スケジュール管理、お客さんへの対応、情報収集・分析など、人間以上の機能を持つものです。加えて、ネットワーク化された電子秘書どうしが互いに会話し、仕事の協働を行なえば膨大な仕事がこなせるはずです」

――開発は1社で行なっているのですか。

 「そうです。今後、わが社ではGシステムの開発に、9割ほどのウエイトを置こうと考えています」

――開発資金は。

 「確かに厳しい状況にありますが、インターネットカフェと川端(保正・代表取締役社長)の自己資金でまかなっています」

――コンピューターはどのような進化を遂げるとお考えですか。

 「今WindowsCEなどによって家電とコンピューターが融合しつつありますが、そういう形を一歩通り越して、すべての電気機器が人間の言葉を理解し、それに答えてくれるという段階に到達すると想像しています。このコンピューターの新たな概念を、われわれは“ヒューマニューター”と読んでいます。ヒューマニューターを製品化したものが、Gシステムだと言えます」

 何ともSFのような話ではある。半信半疑で伺いながらも、コンピューターの未来像として、ありえない話ではないとも思った。ただ、2001年という近未来の話ではないのかもしれない。(報道局 浅野広明)

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