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【COMDEX/Spring '98】“PCの将来”について、ビル・ゲイツ氏が基調講演

1998年04月21日 00時00分更新

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 4月20日(現地時間)、米国シカゴで開催されている“COMDEX/Spring '98”にて、米マイクロソフト社CEOのビル・ゲイツ氏が、基調講演を行なった。午前9時という早い開始時間にも関わらず、2000人収容できる会場は満員。昨年、ラスベガスで開催された“COMDEX/Fall '97”同様、写真撮影が許された時間はわずか60秒。カメラマンは、この60秒が勝負時間となった。



 さて、講演内容はというと、今回の基調講演でWindows98の発売日が発表されるか? と噂されていたのだが、先週、米マイクロソフト社が“6月25日(日本は7月下旬予定)に発売する”と発表、特別に目新しい話題はなかった。でも、そこはエンターテインメントの国、アメリカ。ハプニング、ジョーク、ビデオと、話題性の欠落をエンターテインメントでカバー、来場者を十分に満足させる内容だった。

 ビル・ゲイツ氏が紹介される場面では、紹介者のワイヤレスマイクが突然動作しなくなるというハプニングが起きた。これに対し同氏は「私たちは技術に頼っているが、常に正常に動作するとは限らない。実は、私の家では、約40台のWindowsマシンが照明の管理をしている。これも常に動作するとは限らない。技術は、単純なタスクにスリルを与えてくれる」と語り、来場者を笑わせた。

 「Windows95が最初に紹介されてから、2年半がたった。今日、PC業界が注目するのは、低コスト化、シンプリシティー、そして、インターネットである。しかし、この20年間、PC業界が目指していることは変わらない。それは、クリエイティビティーを拡張するツールを作ること、そして、新しいコミュニケーション手段を提供することにある」

 会場では“Integration, Innovation And the PC”と題する資料が配られ、Windows98で用いられる機能、OSとインターネットの融合について、さらにその優位性である“シンプリシティー”を強調した。

 エラーメッセージを例に、「エラーメッセージが表示されるだけでは、なんの解決にもならない。トラブルの解決、ヘルプシステム、そしてエラーメッセージは、融合されないといけない。われわれは、ユーザーの立場に立って状況を考えようとしている。特に、家に何台ものハイテク機器が導入され、融合されるには、もっといいもの、シンプルで使いやすいものを作らなければいけない」

 会場では、これらの機器を家に導入するとどういった状況になるか、ビル・ゲイツ氏自身も出演するビデオが上映された。複雑なケーブル配線、いくつものリモコン・キーボード、しまいには自宅のシステムがショートを起こしてしまうコミカルタッチの内容で、会場もおおいに盛り上がった。

 次に、米マイクロソフト社プログラムマネージャーのChris Capossela氏がゲイツ氏に招かれ、Windows98のデモを行なった。“Maintenance Wizard”、“ヘルプファイル”、“スタートファイル”、“Dual Monitor Support”、OSとIE(ブラウザー)との融合など、新機能、拡張機能を紹介した。Windows98でサポートされるUSBのデモでは、USBハブを使用し、簡単にハードウェアを追加できるという。マウスを簡単に追加、さらに別のハードウェアを追加……。ところが、ここでWindows再起動通知が……。会場は、このハプニングに大爆笑。

 最後に、Windows98/NT 5.0以降のロードマップが紹介された。「ブラウザー、シェル、ヘルプの統合より、さらに進んだファイル、ページ、メッセージ、レジストリ、レコードの統合。自然言語機能の拡張。視覚機能の拡張。スピーチ機能の拡張。手書き認識の拡張。そして、AIを用いた自動学習機能の拡張。これらを盛り込んだ製品を今後、開発していく」と、同氏は語った。(報道局 西川ゆずこ)

http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1998/Apr98/bgkeypr.htm

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