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『BeOS for Intel』をインストールするの記 Part 1

1998年03月13日 00時00分更新

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 『BeOS for Intel』のPreview Release 3がASCII24編集部に届いた。19日のデブコンより早く入手できるとは思わなかったが嬉しい。さっそくインストールしてみたのでリポートをお届けする。

 米Be社(http://www.be.com/)のディベロッパーズ・カンファレンス(BeDC)が3月19、20日の両日(現地時間)、サンタクララのウェスティン・ホテルで開催される。同カンファレンスの目玉はなんといっても『BeOS for Intel』だ。従来、BeBOXを買った人か、Power PCを搭載したMacintoshのユーザーでなければ体験できなかったBeOSだが、PCユーザーが自分のマシンにインストールできるようになる日も近い。セッションには“Working with Intel”などというのがあるし、キーノートスピーカーにもインテルのディベロッパー・リレーション担当の副社長Claude Leglise氏の名前が見える。

 参加者全員にBeOS for Intelのβ版が配布されるというのは既報のとおりだが、驚いたことに先日、レジストしたASCII24編集部に『BeOS for Intel Preview Release 3』(PR3)が国際宅配便で送られてきた。同封されていた手紙によると、なんと予定より早くできたのでカンファレンス前に送付することにしたというではないか! カンファレンスでその評価をヒアリングしようということらしい。

ASCII24に届いたBeOS for Intel PR3。レーベルのステゴザウルスには何の意味が? ASCII24に届いたBeOS for Intel PR3。レーベルのステゴザウルスには何の意味が?


 そうなるとこれはもうさっそくインストールするしかない。PR3が要求する動作環境はPentium(Cyrix、AMDなど互換チップを含む)を搭載したいわゆるIBM PC/AT互換機(当然Pentium ProやPentium IIのマルチ・プロセッサー・システムをサポート)だが、プレビュー版なので制約もある。

 まずSCSIのサポートがなく、ATAPIのCD-ROMドライブからIDEのハードディスクへのインストールのみサポートされる。これには当然激しい反発もあって、ニュースグループなどを見ていると、メディアOSを自称するBeOSがSCSIをサポートしないとは何事かと激怒している人もいる。こうなった理由は、PCのSCSIの場合、Macintoshのそれに比べて標準的なやり方でインプリメンテーションされていなくて問題が多いからというのがBeの説明。Beの社内でもSCSIのサポートがないままPRを出すのを喜んでいる人間はいないそうだが、時間的に無理だったのだろう。なお製品版ではサポートされる。

 インストールには最低150MBのHDD容量が必要で、オプショナル・ファイルも含めるとさらに80MBが必要となる。比較的コンパクトだ。

 インストール方法だが、プライマリのマスター/スレーブ、セカンダリのマスター/スレーブ、どこのドライブ/パーティションにもインストール可能で、Windows 95/NT 4.0が動いているシステムにもインストールできるが、Linuxなどと同様、Windowsと同じパーティションにはインストールできない。そこで、既存のパーティションをクリーンアップするか、新たにBeOS用のハードディスクを用意するか、あるいはPartitionMagicのようなツールを使ってパーティションを切る必要がある。

 PR3には親切にもPartitionMagicのスペシャル・バージョンが付属していて、Windowsが動いているシステムでPR3のCDをセットするとオートランでそれが起動する。HDDを用意できない場合はこれを利用すればいい。

 ハードディスクの準備ができたら、Install Diskからブートアップする。するとインストール・プログラムが起動して、あとはインストールするパーティションを指定すればいい……はずなのだが、そうすんなりとはいってくれなかった。ワークマシンであるGateway2000のP5-200(MMX Pentium-200MHz)、サブ・ワークマシンでSolarisが動いてるエプソンのEndeavor AT-6000(Pentium-90MHz)、自宅の私物マシンDell OptiPlex GX Pro(Pentium Pro-200MHz)でトライしたのだが、ことごとくNG。具体的には

 1)ブートアップしてBeOSカーネルのローディングが始まった直後に画面がブラックアウトしてフリーズする(Gateway2000)。

 2)ブータブルなメディアを指定するメニューまでは行くが、BeOSからCD-ROMドライブが見えてない(Dell)。

 3)Install Diskからブートし始めた直後にリセットがかかる(エプソン)。

 という具合である。

 そこで、Gateway2000のCD-ROMドライブ(MITSUMIの12X)をDellに移設すればうまくいくのではないかと考え、わざわざCD-ROMを自宅へ持ち帰り、Dellにセットアップして再度トライ。すると思ったとおりインストールは成功した。やれやれという感じだが、comp.sys.be.helpなどを見ていてもCD-ROMでトラブっている人はけっこういる。ほかにもいろいろと問題はあるようで、私の周辺でPR3を入手した人も4台のマシンで試してダメだったという。PR3はまだかなりハードウェアを選ぶといって良さそうだ。

BeOSをインストールされたDell OptiPlex GX Pro。BeOSをインストールされたDell OptiPlex GX Pro。



 あとでBeOS for Intelに関するFAQ(http://www.be.com/support/qandas/intel.html)を見たら、エプソンのマシンはグラフィックス・チップがサポート対象外だったので、これはまぁ仕方ない。

 というわけで、少々インストールに手間取ったが、PR3は現在自宅のDellで動いており、Windows NTに比べてライトな操作感、意外な(失礼)ほどのスタビリティーの高さ、というのが第一印象だ。

 実はもうダイアルアップでのネットワーク接続にも成功し、Webも見られる(問題点もないわけではないのだが)。このあたりは次回Part 2で述べたい。(報道局 河村康文)

インストールには少々手こずったが、動いてしまえばライトで安定していて快適なBeOS。
インストールには少々手こずったが、動いてしまえばライトで安定していて快適なBeOS。

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