香港のパシフィック・センチュリー・サイバーワークス社(以下PCCW)は10日、同社の子会社であるオランダのサイバーワークス・インターナショナル・ビー・ヴィー社を通じて、ゲームソフト開発会社である(株)ジャレコの発行済株式の約81パーセントを取得することで、合意したと発表した。公開買付けおよび2回にわたる第三者割当増資引受けによるもので、それに要する資金として約270億円を予定している。これにより、PCCWはジャレコの経営権を取得することになる。なお、社名を“パシフィック・センチュリー・サイバーワークス・ジャパン株式会社(仮称)”に変更する予定。
ジャレコは、今回の第三者割当増資において、同社が新規事業として行なうブロードバンドインターネット事業におけるパートナーとして、(株)電通、オリックス(株)、ぴあ(株)と業務提携し、新株を割り当てる予定。
PCCWは、今回の合意により、日本における事業展開を図る。一方、ジャレコは、PCCWの持つインターネットブロードバンドプラットフォーム、グローバルな販路、強力な資本力などを利用できるようになり、ゲームソフトの売上増大、インターネットビジネスへの進出、それによる人材の活性化と新規獲得などを期待している。
両社は今後3つの事業戦略を推進する。まず、PCCWのブロードバンドインターネット向け双方向コンテンツサービス“NOW(Network of the World)”の日本語版サービスを事業化するために、ソニーピーシーエル(株)の協力のもと、日本にNOWスタジオを設立する。そして、ジャレコのゲームソフトをはじめとする日本のコンテンツを確保し、海外用に編集した上で、NOWを通じて世界へ配信する。法人向けには、データセンター/ASPサービスの提供を行なう。
PCCWの日本担当取締役であり、ジャレコの次期代表取締役社長候補であるトッド・ボナー氏は「アジア諸国では、日本のコンテンツに対する潜在需要が大きく、まだ十分に供給されていない。ジャレコをこのための輸出窓口にするつもりだ」と述べた。