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米ゴールドマン・サックス証券、個人投資家向けに5000円から投資ができる“ポケ株ワラント”を発表

2000年08月08日 22時10分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米ゴールドマン・サックス証券会社は8日、個人投資家を対象として、5000円程度から投資が行なえる少額投資商品『ゴールドマン・サックスカバードワラント ポケット株』(以下ポケ株ワラント)を発表した。オンライン証券4社を通じて21日から順次販売される。

“ポケット株”ロゴ

ポケ株ワラントでは、実際に株を売買するわけではないが(後述)、例えばソニー株(8月4日時点の取引単位で99万円)やNTTドコモ株(同280万円)を、それぞれ約9900円、約2万8000円から投資でき、売買に多額の資金が必要な株式投資と同様の投資効果を得られる商品としている。

ポケ株ワラントは、株そのものでなく、一定期間後に株を売買する権利を証券化した(※1)有価証券の一種で、1年半程度の満期が設定されている。売買を行なう際に必要とされる(※2)“権利行使価格”を1円に設定することで、投資リスクや価格変動率を、現物株とほぼ同様に抑えた。ゴールドマン・サックス証券が市場を提供するため、朝9時から夜7時まで(昼の中断なし)、証券市場が開いていない時間でも売買が行なえるという。また、価格は1分間に数度という短時間で変動し、リアルタイムでの売買が可能としている。なお、現物株に提供される配当金はポケ株ワラント価格に織り込み済み。(※3)売却時の利益に対する税金は、株式の場合とは異なる。

※1 このような有価証券を“カバードワラント”と呼ぶ。

※2 権利行使価格が1円なので、例えば1000円の株価を持つ銘柄を、1円で購入する権利と考えると、計算上999円の価値があるため、ポケ株ワラント市場でも、現物株市場と同様の値動きとなる。ただし、証券会社に支払う手数料が別に必要。また、対象となる株価が0円になっていなければ、ポケ株ワラント自身の価値が0になることはない。

※3 ポケ株ワラントは、税制上有価証券として総合課税の対象となる。個人が購入した場合、購入時には無税、売却時には、売却価格と購入価格の差額に対し、譲渡益として総合課税される。ただし、ポケ株ワラントの満期まで保有した場合には、満期時の株価から権利行使価格と購入費用を引いた額を、雑所得と見なして課税される。

ポケ株ワラントの対象銘柄は、販売開始当初はソニー、セブンイレブン、NTTドコモなど64銘柄で開始される。ゴールドマン・サックス証券エクイティ部門統括マネージングディレクターの土岐大介氏によると、これらの銘柄を選んだ基準は、「一般のお客様でも名前を聞いたことがある知名度の高い優良企業」であるとし、「今後も同様の基準で取り扱う銘柄を200銘柄程度まで増やしていく。初年度2000億円程度の販売残高を予定している」という。

(左から)DLJdirect SFG証券の国重社長、日興ビーンズ証券の面川取締役、ゴールドマン・サックス証券の土岐氏、イー・ウイング証券の小早川社長、日本オンライン証券の臼田経営戦略担当、ゴールドマンサックス証券の土居氏

この商品は、インターネット上のオンライン証券会社である、DLJdirect SFG証券(株)とイー・ウイング証券(株)、日興ビーンズ証券(株)、日本オンライン証券(株)の4社によって販売される。ただし、販売開始日である21日から扱うのは、DLJdirect SFG証券とイー・ウイング証券の2社。日興ビーンズ証券と日本オンライン証券は「当社ならではのサービスと合わせて提供したい」(日本オンライン証券経営戦略担当の臼田琢美氏)とし、秋口からの販売を予定している。なお、ポケ株ワラントの販売手数料は証券会社により異なるが、現時点では明らかにされていない。

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