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NEC、TV受信や録画ができる『VALUESTAR T』シリーズの新商品を発表――「松下、ソニー、東芝連合が“PC in TV”なら、我々の思想は“TV in PC”」

2000年08月07日 23時35分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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日本電気(株)は7日、インターネット関連製品の新商品コンセプト“iSolution”と、家庭用デスクトップパソコン『VALUESTAR T』シリーズの新製品1機種2モデルを発表した。今後、「インターネット社会と個人を繋ぎ、利用者一人ひとりがより豊かで、より便利な生活、活動を実現できる」と同社が定義するインターネット関連商品に、“iSolution”という名前が冠せられることになる。

“iSolution商品”のシンボルマーク

今回発表された『VALUESTAR T』シリーズの2モデルは、“iSolution”のコンセプトに基づく第一弾の製品。『VALUESTAR T』シリーズとしては第二世代の製品で、5月に発表された前機種からTV受信/録画機能を受け継ぎ、さらに、同社開発の新ソフトによって、MPEG-2形式によるTV視聴/録画や、動画/静止画/音声/HTMLファイルを統合管理に対応している。予想市場価格は下位モデルで約30万円と、同社のデスクトップ製品では高額な部類に入るのだが、同社幹部は「近い将来に主力商品になる商品」とした。今後、デジタル放送によって、コンテンツの種類や、配信経路が多様化しても、統一的なインターフェースでマルチメディアデータを統合管理できる環境を提供できるよう、開発を進めていくという。

一方、松下電器産業(株)、ソニー(株)、(株)東芝が、デジタル放送用の蓄積型データ放送受信機の標準化で、基本システム技術について共同で開発を進めているが、記者発表会に出席した富田克一常務は、「(松下、ソニー、東芝)連合が“PC in TV”なら、我々の思想は“TV in PC”。パソコンの世界からTVを考えるものだ」と語った。

『VALUESTAR T』

『VT667J/3FD3』

『VALUESTAR T』シリーズは、『VALUESTAR』シリーズの中でも、TV番組の視聴・録画や、動画編集に特化したシリーズ。今回発表された2機種『VT667J/3FD3』および『VT667J/3FD4』は、5月に発表された前機種『VT667J/3FD』のTV視聴・録画機能を受け継ぎ、マルチメディアデータ編集用のソフトが拡充された。

今回、NECが新たに開発したソフトは、TV番組の視聴・録画ソフト『SmartVision/TV』、地上波データ放送“ADAMS”で番組情報を取得する録画予約ソフト『SmartVision/EPG』、マルチメディアデータ統合管理ソフト『SmartGallery』の3つ。

『SmartVision/TV』は、TV番組の録画形式としてMPEG-2を採用した。これにより、MPEG 2の読み込みに対応したユーリードシステムズ(株)のビデオ編集ソフト『Ulead VideoStudio 4』、同じく米SonicSolutions社のDVDオーサリングソフト『DVDit! LE』といった添付ソフトと連携し、録画から編集、オーサリングまでMPEG-2フォーマットで一貫して行なえるようになった。

『SmartGallery』は、動画/静止画/音楽/HTMLファイルに対応したマルチメディアデータ統合管理ソフト。ファイルの保存場所に関わらず、動画ならMPEG/AVI、音楽ならMP3/AACなど、全50のデータ形式のファイルを自動的に検索/登録し、サムネイル形式で一覧表示するというもの。ユーザーは、データ形式などからファイルを検索したり、各々のファイルが対応する再生/編集ソフトをサムネイル表示画面から起動することができる。

『SmartGallery』

HDDの容量、付属するスピーカーの種類の他は、上位モデル、下位モデルともほぼ同等。

CPUはPentium III-667MHzで、チップセットはIntel 810E Chipset。約40GBのHDD(下位モデルは約30GB、Ultra-ATA/33対応)を搭載し、メモリーは128MB SDRAM。グラフィックアクセラレーターはチップセット内蔵で、VRAMはメインメモリーを使用し、8~11MB。外部記憶装置は、FDD(オプション)と、DVD-ROM対応のCD-R/RWドライブで、最大4倍速のDVD-ROMの読込み、最大24倍速のCD-ROMの読込み、最大4倍速のCD-R/CD-RWの書き込みが行なえる。

モデムはK56flex/V.90対応モデムを内蔵し、主なインターフェースは、USB×3、パラレル×1、シリアル×1、IEEE 1394×2、PCカードスロット(Type II)×2。サウンドや映像関連のインターフェースは、光デジタルオーディオ出力×1、ライン入力×2、ライン出力×2、マイク入力×1、アンテナ入力×1、ビデオ入力×1、ビデオ出力×1など。

本体サイズは幅106×奥行き337×高さ315mmで、重さは約7.6kg。ワイヤレスキーボード/マウスを採用し、ディスプレー下部にキーボードが収納できるようにデザインされている。TV画像をより鮮明に表示するために画面の輝度を通常画面の1.7倍以上に設定できる15インチのフルカラーTFT液晶ディスプレー、5.1チャンネル対応の外付けサラウンドスピーカーシステム(下位モデルは外付けステレオスピーカー)が付属する。

上記以外の主な添付ソフトは、『Office 2000 Personal』、音声認識ソフト『SmartVoice(Ver3.0)c』、デジタルカメラなどの写真データをiモードで表示可能なデータ形式に変換する『ThumbsStudio Ver2.0/i』など。出荷開始は8月11日で、価格はオープンプライス。実売価格は下位モデルの『VT667J/3FD3』が30万円前後、上位モデルの『VT667J/3FD4』が35万円前後の見込み。

“『SmartVisionPro for USB』

同社はまた、パソコンを既に所有しているユーザー向けに、テレビ受信や録画機能を搭載したセットトップボックス『SmartVisionPro for USB』も同時に発表した。『SmartVision/TV』、『SmartVision/EPG』、『Ulead VideoStudio 4』、『SmartGallery』といったソフトを添付し、本機をUSBケーブルでパソコンと接続することで、TV番組の視聴と録画、動画編集が行なえる。本体サイズは幅40×奥行き200×高さ145mm。対応OSはWindows 98。8月11日出荷開始で、価格は3万9800円。

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