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バンダイの昆虫型自律ロボット『ワンダーボーグ』を速攻プレビュー!

2000年08月04日 23時23分更新

文● 浅野純也

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(株)バンダイが開発した昆虫型の完全自律ロボット『ワンダーボーグ』が、6月に同社のウェブサイト上で1000台限定(限定ボディカラーとシリアルナンバー入り)で先行予約が行なわれたが、本日8月4日、予約したユーザーの手元に製品が届いた。すでにさまざまなメディアで紹介されているワンダーボーグだが、さっそくレビューをお届けしよう。

昆虫型の自律ロボット『ワンダーボーグ』
最初の1000台に限りシリアルナンバーが入っている。

6本脚の自律型歩行ロボット『ワンダーボーグ』

ワンダーボーグは6本の脚を持つ昆虫型ロボット。8bitマイコンを頭脳に持ち、2つのタッチセンサーと明るさセンサー、赤外線センサー、脚位相センサー、フロアセンサーなどの豊富なセンサー群を装備、2つのモーターによって昆虫のように6本の脚を駆動させて動く。

基本的にスイッチを入れたら、あとはセンサー情報とそれに対応するコマンドによって自律的に動くが、同社の携帯ゲーム機『ワンダースワン』と、専用ソフト『ロボットワークス』を利用すれば、ロボットワークス上でワンダーボーグの動作パターンをプログラミングし、赤外線通信でワンダーボーグにプログラムを送信できる。

同社は2年ほど前からワンダーボーグのプロトタイプを製作、今年春に開催された“2000東京おもちゃショー”に出品して大きな反響を得ていた。この秋の正式な発売開始に先立って、6月に1000個を先行予約したところ即日完売、8月1日より第2次インターネット予約として1000個を先行販売している。価格は1万2000円だ。

異なる脚パーツでさまざまなバリエーションを組める

届いたパッケージは大きめのプラモデルサイズ。内容は、完成済み電子基板と本体筐体のほか、脚や触覚などのプラスチックパーツ、先端保護やジョイントに使うゴムパーツ、オプション用ギア、触覚や脚に使うプラワイヤー、そしてマニュアルが同梱されている。

ワンダーボーグのパッケージ。白をベースにサイエンティフィックなイメージだ
パッケージの中身は完成済み基板とボディ、プラスチックパーツとゴムパーツなどが入っている。電池とワンダースワンは別売りだ

組み立ては簡単。すべてのパーツは差し込むだけ。取り付ける脚パーツによって3タイプのバリエーションを組める。ギアボックス部分の取り付け角度によっても、異なるキャラクタ(歩き方)のロボットを組むことが可能。また、ギアを交換することで、スピード重視かトルク重視かのセッティングも可能だ。

前方のセンサー。中央が赤外線センサー。ワンダースワンからの信号を受けたり、ワンダーボーグ同士で信号(フェロモン)をやり取りしあう。左右下方向に出ているのは赤外線LEDで、床面を照らしてセンサーに探知させている
左右に1つずつ赤色LEDの目があり、障害物があると点滅して知らせる。左右に出ているのが赤外線LED。信号を送ったり障害物を検知する。触覚に触れているのがタッチセンサー。その奥、電池ボックスの前にあるのが光センサー。明るさを検知できる
バリエーションの1つ。タイヤパーツを付けると回転軸とともにタイヤが回り、走ることが可能
バリエーションの1つ。プラワイヤーを脚と触覚に使ったところ。より虫っぽい印象だ
それぞれの側の3本の脚は1つのモーターで制御されている。ギアボックスの中は複雑なギアで構成されており、脚の位相を検出するセンサーも内蔵されている。オプションパーツでギアの交換も可能だ
メイン基板。中央に電池ボックスがある
メイン基板(裏面)。電池ボックスの裏側はブザー。左側は電源スイッチで白いコネクターはモーター用が2つと外部オプション用。その隣の大きめのチップがほぼ全体をコントロールしている

さっそく組み上げてスイッチを入れてみる。電源スイッチを入れてスタート/ストップボタンを押すと、ワンダーボーグはデフォルトで内蔵されたプログラムに従って行動し始めた。センサーによって足下を見ているし、左右の前方対角線も見ている。触覚に触れてスイッチが入ったり、明るさにも反応するのが面白い。デフォルト状態では障害物を避けて歩く。

ゴムパーツは各脚ごとに揃っている。ジョイントのほか脚の先の保護用パーツなどに使う

ワンダースワンを利用して、ワンダーボーグの動作パターンをプログラミング可能

プログラム環境もよく出来ている。コマンドを選択して各種センサーに対してどう反応するかを決めるようになっている。ワンダーボーグ独自の“光フェロモン”(赤外線信号識別センサー。他のワンダーボーグからの信号を認識できる)という概念も使い方によっては面白そうだ。

同梱されているワンダースワン用カセット『ロボットワークス』を利用して、ワンダースワンから赤外線でコマンドを飛ばすことができる。センサーに対するアクションの設定、基本設定、各種モードが用意されている
『ロボットワークス』画面。メニューからセンサーの状態やアクションを選択して、コマンドをタイル状に並べることでプログラミングを行なう。センサーの感度やLEDの状態などのセットアップも行なえる

また、初心者向けにプログラム訓練として、画面上のバーチャルワンダーボーグにコマンドを与える“トレーニングモード”、あらかじめ設定されたペットプログラムを実行させ、しつけコマンドを送ることで、ワンダーボーグの機嫌を見る“ペットモード”などがある。

あらかじめ用意されたペットモード用のデータ。鳴き声でワンダーボーグの機嫌を知ることができる

ざっと紹介してきたが、単純な機構のわりにできることは意外と多そうだ。特にプログラミング環境はじっくり腰を据えて向かい合えばけっこう面白いことができそうだ。ボタンが多いワンダースワンは操作性もいい。

ワンダーボーグは、“男の子ゴコロ”をくすぐるその外観もさることながら、パーツの組み方や、動作パターンのプログラミングによってさまざまに変化するなど、実は奥が深い。1万2000円が高いか安いかは人それぞれだが、個人的には十分に遊べると思う。

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