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Jストリーム、ストリーミング技術セミナーを開催。野球中継を観戦しながら、ピザをオーダーしよう!(リアルネットワークス編)

2000年08月04日 00時13分更新

文● 編集部 井上猛雄

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(株)Jストリームは3日、東京・千代田区のホテルニューオータニにおいて、ストリーミング配信技術を提供する主要メーカーを招き、“J-Streamストリーミング・シアター”を開催した。リアルネットワークス(株)、マイクロソフト(株)、アップルコンピュータ(株)の3社による最新ストリーミング技術や、企業への導入事例などが紹介された。本稿ではセッション1のリアルネットワークス(株)によるセミナーの模様を報告する。

ストリーミングがブレイクする日も近い!

セミナー開催に先立ち、(株)Jストリーム代表取締役の白石清氏が登壇し、開会の挨拶を行なった。まず白石氏は、インターネット放送に取り組んでいる中心人物たちのビデオレーターを紹介した。

(株)Jストリーム代表取締役の白石清氏

インプレスの塚本慶一郎氏は、今年は教育分野でストリーミングが流行するだろうと予測。同社は秋から“ImpressTV”を開始し、“できるシリーズ”のストリーム放送を流すという。弁護士の牧野二郎氏は、全国で活発な議論をするためのツール、正確に情報を伝える手段として、リアルタイムストリーミング技術が画期的な手法になると説く。大橋秀行氏は“コンテンツの多チャンネル化がメディアにどのような影響を与えるか?”という問題について述べた。

ビデオレターを紹介する白石清氏

白石氏は、「近い将来、すべてのウェブが放送局になるような時代が到来するだろう。“HomePage”から“HomeScreen”などと呼ばれるようになるのではないだろうか?」と予測。インターネット放送局の果たす役割がますます大きくなっていく、と語った。

“セッション1”では、リアルネットワークス(株)の副社長、進藤公彦氏が講師として招かれた。このセッションのテーマは“ストリーミングソリューション The Future is Real”。

リアルネットワークス(株)の副社長、進藤公彦氏

同社のストリーミング技術は'95年4月の『RealAudio』発表以来、『RealVideo』、『RealG2』と進化し、様々なメディアに対応するようになった。また、昨年の5月には『RealJukebox』を発表し、ダウンロードビジネスにもターゲットをおきはじめている。『RealPlayer』のユーザー数も、全世界で1億3500万人、日本では700万人を超えた(8月3日現在)。

ストリーミング市場の全体的な規模も拡大している。2000年5月の時点では3000局以上のWeb放送局が存在し、1週間に6000時間以上の番組がつくられているという。同社のチャンネルにパートナーとしては、94ヵ国53言語のラジオ局、45のインターナショナルチャネル(日本は22チャンネル)がある。

同社では、広告としてのストリーム、物品の紹介としてのストリーム、オーサリングツールの開発という3つの柱で新しいビジネスを進めていく方針で、それを“エコシステム”と名付けている。

インタラクティブなストリーミングや3Dビデオ技術をサポート

今回のセミナーは、今年5月に米国で開催された“RealConference2000”で発表された最新ストリーミング配信技術『RealSystem8』などの技術を中心に話が進められた。

RealSystem 8は、配信サーバーソフト『RealServer 8』(現在β版、2000年下半期に製品出荷予定)、映像&音声のエンコーディングソフト『RealProducer 8』(現在出荷中)、クリップを再生するプレイヤーソフト『RealPlayer 8』で構成している。

これは、新しいストリーミングビデオフォーマット“RealVideo 8”を使って、ダイヤルアップユーザーからケーブルモデムユーザーまで幅広いターゲットをカバーする技術。xDSLユーザー(220Kbpsから500Kbps)にはVHSクオリティーのビデオを、ケーブルモデムユーザー(1Mbpsの帯域)ならDVDに近いクオリティーのビデオを配信できるようになった。

同社と他社のストリーミングの様子を、400kbps、1Mbpsで比較した場合のデモ

進藤氏は、RealSystem 8で新しく追加された機能を紹介し、その具体的なデモを行なった。新機能として、MP3ファイルのストリーミング配信をサポートする“Streaming MP3”、Flash4ファイルフォーマットをサポートする“Streaming Flash4”、インタラクティブなストリーミングを可能とする“PVI”、3Dビデオ技術をサポートする“RichFX”技術などがある。

Streaming Flash4”を利用して、Eコマースのツールを加えた例。ウィンタースポーツのストリーミング映像が流れているが、右にある靴の画像をクリックするとショッピングカートが現われ、好きな製品を購入できる
インタラクティブなストリーミングを可能とする“PVI”の例。野球中継のストリーミング放送を観戦しながら、ピザをオーダーできるというもの。“ピザ”というところが、まさにアメリカ的!?
3Dビデオ技術をサポートする“RichFX”技術のデモ。左は3Dで表現されたハイヒールが回転している様子。それをクリックすると右にあるようなヒールの図が現われる

また、音楽のデジタル配信が進展したことにより、エンターテインメントを単に楽しむだけではなく、ダウンロードするためのニーズも増えてきた。

進藤氏はこのようなニーズにこたえる製品して、また先に述べた“エコシステム”の中核となるものとして、スィートパッケージソフト『Real Entertainment Center』を紹介した。これは、『RealPlayer 8』、『RealJukebox2』、『RealDownload4』(メディアダウンロードマネージャ)をまとめたパッケージ。カスタマイズできるRadioTuner、メディアや音楽ダウンロードのガイド機能などを備えている。

最後に進藤氏は、先ごろ米国で発表されたインターネットラジオステーションを例に挙げ、「すべての機器がインターネットに接続できるようになる。ブロードバンド化が進めば、高品質なストリーミング放送だけでなく、個人でも放送局をつくって映像配信に参加できる時代がやってくる」と締めくくり、同社のRealストリーミング技術をさらに推進していくとした。

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