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日本HPや日本アバイアなど4社、顧客情報をベースとした個別マーケティングのシステムを共同で構築

2000年08月02日 16時20分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本ヒューレット・パッカード(株)(以下日本HP)、(※1)日本アバイア(株)、日立ソフトウェアエンジニアリング(株)(以下日立ソフト)、(※2)ヒューレット・パッカード・ソリューションデリバリ(株)(HPSD)の4社は2日、インターネット上でビジネスを行なう企業向けに、クローズド・ループ・マーケティング(CLM)環境を100日間で構築する共同プログラム『iCLM2000』を発表した。価格は最小システムで8000万円から。販売は4社それぞれが窓口となって行ない、1年間に60億円(約30件)の売り上げを目指す。

※1

日本アバイアは日本ルーセント・テクノロジー(株)のエンタープライズネットワークス部門が、6月に分離独立して設立された会社。8月1日付で営業活動を開始した。



※2

HPSDは、'99年3月に米ヒューレット・パッカード社、丸紅(株)、日立ソフトが共同出資して設立した会社。EビジネスやEコマース分野を対象に、HP製品を中心とした、インターネット関連のサービスやシステムを提供している。



日本HP、エンタープライズ事業統轄本部ソリューションマーケッティング本部E-ソリューションマーケッティングマネージャの藤本康秀氏

CLMとは、マーケティング活動を通して得られた顧客情報を元に、顧客ごとに個別化したマーケティングキャンペーンを展開する“ループ”を形成するもの。利用する顧客情報としては、顧客の関心、嗜好、製品の購買履歴、提供したサービスやクレームなどが挙げられる。CLMを展開する側の企業と顧客との間で、長期的な信頼関係を確立し、取引関係の拡大が図れるという、マーケティングの手法。

今回発表されたiCLM2000では、日本HPがウェブベースのワン・トゥ・ワン・マーケティング向けプラットフォーム(※3)『BroadVision One-To-One Enterprise』を提供。日立ソフトはデータマイニング・キャンペーンマネージメントツールである『Broadbase EPM』『同EMA』を提供する。日本アバイアはVoIP対応コールセンター業務システム『CentreVu Internet Solutions』を提供し、統合したシステムとしてCLMを実現するという。システムの構築は、日立ソフトおよびHPSDが請け負う。

※3

米ブロードビジョン社の製品。米ヒューレット・パッカードと米ブロードビジョンは'99年4月に戦略的アライアンスを締結しており、ブロードビジョン製品がヒューレット・パッカードを通じて販売されている。



日立ソフト、公共システム事業部第4公共システム部BIソリューションチーム技師ユニットリーダの田屋秀樹氏

この統合システムによって、企業は、顧客ごとにパーソナライズされた情報やキャンペーンの提供を行なえるほか、コールセンターでの効率的な受け付け業務が可能となる。一方、顧客は情報の入手から音声での問い合わせまでを、インターネットに接続したパソコン上で行なえるとしている。

日本アバイア、市場開発部部長安藤靖氏

iCLM2000は、各社が個別に販売しているシステムやソフトウェア製品を組み合わせたものであるが、事前に統合して動作確認を行なうほか、短期間での導入が可能としている。また、全体の価格も、個別に製品を購入するよりも割安な価格で提供されるとしている。当初は、4社がそれぞれの現在の顧客企業に対して販売活動を行ない、1件あたり平均1億5000万~2億円として、今後1年間で約30件、60億円の売り上げを目標としている。主な販売対象企業は、金融、流通、サービス、物販などの業種という。

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