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【レビュー】軽い! 畳める! SDメモリーカード対応のヘッドフォン型プレーヤー――松下電器産業

2000年07月28日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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5月9日の発表から待つこと2ヵ月、松下電器産業(株)からヘッドフォン型デジタルプレーヤー『SV-SD01』がようやく市場に登場した。ペンダント/腕時計タイプの『SV-SD70』に続く、同社のSDメモリーカード採用デジタルプレーヤーの第2弾にあたる。プレーヤーとヘッドフォンユニットが一体になっており、ペンダント/腕時計モデルと違ってコードレスで楽しめる。

『SV-SD01』。カチューシャのように頭にかけるスタイル
『SV-SD01』。カチューシャのように頭にかけるスタイル



寄木細工のようにパタパタと3段階に折り畳める。三洋製品も畳めるのだが、『SV-SD01』のように幾何学的な形になるわけではない
寄木細工のようにパタパタと3段階に折り畳める。三洋製品も畳めるのだが、『SV-SD01』のように幾何学的な形になるわけではない



ヘッドフォンタイプのプレーヤーでは最軽量

『SV-SD01』はアームを頭にかけるスタイルだが、アームの中央部分が関節のように折れ曲がる構造になっており、使わないときはコンパクトに折り畳めるのが特徴だ。幾何学的な形のプラスチックの固まりを、パタパタ広げるとヘッドフォンの形になり、しかも単体で音楽が聴けるのだから、同じシリコンオーディオプレーヤーでも、ペンダントタイプとはまた違った魅力がある。広げたときのサイズは、幅149.9×高さ168.5×奥行き39.5mm。折り畳むと、78.5×109.3×52mmと、手のひらサイズにまで小さくなる。スライド式のアームで、頭の大きさにあわせて最大で約8cm伸ばせる。

一方、重量をみてみると、同じヘッドフォン型プレーヤーでもシャープの『WA-HP1』や三洋電機の『SSP-HP7』が約150gあったのに対し、『SV-SD01』は約100gと非常に軽く、頭や左右の耳を締め付ける感じがない。一般的なポータブルオーディオ用ヘッドフォンの重さは70~150g程度なので、プレーヤー搭載による重量増を意識せずに使用できる。本体は、ブラックとシルバーを基調にしたカラーリングを採用し、折り畳んだ時の形状の奇抜さに対して、広げた時の形状やデザインは意外とベーシック。大ぶりなライバル機と比べて、全体としてきゃしゃなイメージに仕上がっている。

スライド式のアームで、頭の大きさにあわせて8cmまで伸ばせる。数万円の精密機器が頭の上に乗るわけだが、付属のフック+ネックストラップで落下を防ぐこともできる
スライド式のアームで、頭の大きさにあわせて8cmまで伸ばせる。数万円の精密機器が頭の上に乗るわけだが、付属のフック+ネックストラップで落下を防ぐこともできる



可動式イヤーパッドで耳にフィット

ヘッドフォンは普通、両側にスピーカーユニットがあるわけだが、『SV-SD01』では、スピーカー部分はイヤーパッドという可動式の別ユニットとして、機械部から生えるような構造になっている。そのため、耳にフィットしやすいほか、機械部を操作してもスピーカーが耳からずれにくい。

機械部は、右耳側が単4電池スロット、左耳側にSDカードスロットおよびデータ再生回路を内蔵している。操作部は左右に分散しており、左耳側にボリューム調節ボタンを、右耳側に再生/停止、スキップ操作用のボタンを搭載している。ボタンは本体より出っ張っているので、手で触れるとそれとわかる。ただし、ボタンの形はみな四角なので、位置関係を覚えなければならない。リモコンに対応にするとか、ダイアル型など違う形のボタンが混じっていたら、より操作しやすかっただろう。

ボタンは本体より出っ張っているので、手で触れるとそれとわかる
ボタンは本体より出っ張っているので、手で触れるとそれとわかる



右耳側のアームには1.6×0.7cmの液晶パネルが付いており、トラック番号や電池残量などが表示できる。電源は、ペンダントタイプと同じく単4アルカリ乾電池1本。三洋製品は単4×2本で10時間動作するのだが、1本では限界があり、約4時間とやはり短かい。

気になるエンコード時間の長さ

『SV-SD01』が対応するコーデック方式はAAC(Advanced Audio Coding)で、SDMIに準拠した松下独自の暗号/認証技術を採用したAACエンコードソフトが付属している。AACファイルは、同梱の『USBリーダーライタ BN-SDCAP3』を使い、パソコンからSDメモリーカードにコピーする。同梱する64MBのカードを使用した場合、その記録時間は、128kbpsで約64分、96kbpsで約86分、64kbpsでは約129分となっている。

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他製品と比べてエンコード時間が長い。また、残りの作業時間も表示されない



ここで気になるのが、エンコード時間の長さだ。Celeron-400MHz搭載マシンで約42分のアルバムを132kbpsでエンコードしたところ、約30分かかった。例えば、同じくAAC形式で米リキッドオーディオ社の著作権保護技術を採用する三洋製品の場合、エンコード時間は原曲の2分の1程度。また『SV-SD01』の場合、残りの作業時間も表示されないので、1時間近いアルバムをエンコードする際は辛抱たまらない。また、多くのエンコードソフトが採用している音楽CDのデータベースサイト“CDDB”へのアクセス機能がないので、タイトルやアーティスト名は自分で打ち込まなければならない。

音質は良好で、低音部/高音部ともに特に違和感を感じなかった。本体で2段階のバスブーストが設定できる。

ファッショナブルに身に付けたいという人におすすめ

『SV-SD01』の標準小売価格は4万9800円。一見高価なようだが、シャープ製品が64MBのMG メモリースティックとUSBケーブルを付属して4万8000円、三洋製品が32MBのMultiMediaCardとUSBケーブルを付属して3万7000円なので、64MBのSDカードとUSBリーダーライターが付いてくるということを考えると、飛び抜けて高いというわけではない。

なお、7月10日の出荷開始以来、一部大型量販店では品薄が続いているというが、「生産計画に沿って順次出荷を行なっている」(松下広報本部)とのことなどで、今しばらくの辛抱のようだ。バッテリー寿命や、ソフトの使い勝手は実はもうひとつだが、そのデザインと軽さは、ウェアラブルに音楽が楽しめるというヘッドフォン型の魅力を十分活かしている。ファッショナブルに身に付けたいという人におすすめ。

『SV-SD01』の同梱物
『SV-SD01』の同梱物



対応OS Windows 98
対応フォーマット AAC
記録メディア SDメモリーカード
サイズ/重さ 幅149.9×高さ168.5×奥行き39.5mm/約104g(乾電池込み)
パソコンインターフェース USB
電源/連続再生時間 単4形アルカリ乾電池1本/約4時間
付属品 SDメモリーカード(64MB)、本体ケース、USBリーダーライタ、ソフトウエア(SD-Jukebox)、単4型アルカリ乾電池×1
価格 4万9800円

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