マイクロソフト(株)は、25日、都内のホテルで“Microsoft .NET Enterprise
Servers プレスセミナー”を開催した。
“.NET Enterprise Servers”は、次世代インターネット戦略“Microsoft.NET”の中核となるサーバーソフトの総称で、従来“BackOffice”と呼ばれてきた製品群。データーベースソフトの『Microsoft
SQL Server 2000』、メッセージングソフトの『Microsoft Exchange Server 2000』など、7つの製品から構成されている(表1)。今回のセミナーでは、Eコマースサイト構築用の『Microsoft
Commerse Server 2000』、企業システムやアプリケーションを、XMLを利用したデータ交換で統合する『Microsoft
BizTalk Server 2000』などを中心に、製品の概要が説明された。
オンラインビジネス | Site Server 3.0 Commerce Edition | Microsoft Commerce Server 2000 |
相互接続 | BizTalk Jump Start Kit | Microsoft BizTalk Server 2000 |
ホスト接続 | SNA Server 4.0 | Microsoft Host Integration Server 2000 |
メッセージング | Exchange Server 5.5 | Microsoft Exchange 2000 Server |
ファイヤーウォール キャッシング | Proxy Server 2.0 | Microsoft Internet Security and Acceleration Server 2000 |
サーバークラスター管理 | - | Microsoft Application Center 2000 |
なお、セミナーで講演した、製品マーケティング本部プラットフォーム製品部の北川裕康部長によると、.NET Enterprise Serversは現在ベータ版の段階で、2000~2001年にかけて正式版をリリース。2001年後半以降に次期バージョンをリリース。開発環境に関しては来年までに.NET FrameworkとVisual Studio.NET、OSに関しては現状のWindows 2000から、来年発表されるWhistler、2001年以降のBlackcombへと順次移行していくという。
また、従来のBack Officeブランドはサーバー製品の総称としてはフェードアウトするが、サーバースイートのラインアップとしては『BackOffice Server 2000』として今後も継続。主に大企業の部門向けパッケージとして提供していく。
Microsoft Commerce Server 2000
Microsoft Commerce Server 2000は、ウェブ/インターネットをベースにしたオンラインビジネスシステムを構築するための製品。“Bussiness Desk”と呼ばれるウェブベースの管理ツールを使用して、プログラミングなしで、サイト構築できるのが特徴になっている。また、顧客の情報をプロファイリングしてデータベースに格納し、その中から性別や年代などで分類。ターゲットとなる層がサイトにアクセスした際に、特定のバナー広告を表示したり、趣向に合わせた製品リストを見せるといった、イベントが容易に設定できる。また、BussinessDeskと統合した60種類以上のレポート機能などを備えており、統合的な顧客の情報の管理が可能だという。
Microsoft BizTalk Server 2000
Microsoft BizTalk Server 2000は、XMLをベースにしたウェブアプリケーション/システム間の連携を行なう製品。メインフレームなど既存のレガシーシステムとWindows 2000ベースのウェブアプリケーションなど、企業システムの統合を目的としている。BizTalk Server 2000は、ワークフローを定義する“BizTalk Orchestration Service”と作成したXMLドキュメントを送受信する“BizTalk Messaging Services”という2つの部分から構成されている。BizTalk Orchestration Serviceは“アプリケーションデザイナー”という“Visioベース”の図表作成ツールを用意し、フローチャートを作成する感覚で、“XLANG”と呼ばれるXMLで記述されたワークフローを定義することが可能。また、BizTalk Messaging Servicesは、HTTPなどのインターネットプロトコル上で暗号化したXMLドキュメントを送受信する機能などを備える。
このほかの製品に関しても、Microsoft SQL Server 2000がXMLデータの蓄積機能やXML経由でデータ検索/更新が可能になる機能が搭載されるなど、XMLベースで相互に連携する機能が標準で盛り込まれていく見込みだ。