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リコー、企業向け1to1ポータルサイト事業を強化――複写機事業のリコーからの脱却を図る

2000年07月21日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)リコーは18日、会員制の企業向け1to1ポータルサイト“ネットリコー”のサービスを7月24日より順次強化すると発表した。会員企業ごとに個別のECウェブサイトを開設し、同社および他社製のOA機器やオフィス備品の注文をオンラインで受け付ける。企業のニーズやOA機器の利用状況をデータベース化することで、個別の品揃えを可能にする。商品の受注はサイト運営本部が直接受けるが、顧客対応は対面販売や電話販売と同じく、全国47ヵ所の販売会社や代理店が担当する。

“ネットリコー”より
“ネットリコー”より



同ウェブサイトは3月21日に開設しており、これまでは同社の一部顧客企業のみを対象に、テスト運用を行なっていた。今後は、会員の対象を広げ、用意するサービスの品目を増やすという。

今回、ネットリコーに追加するサービスは、(1)(株)ネオジャパン製のスケジュール管理ソフト『eCalender』などグループウェアのASPサービス、(2)企業向け低価格パソコン提供サービス“ネットリコーパック”の2つ。ネットリコーパックは、日本アイ・ビー・エム(株)製の『Aptiva E』および、Office 2000 Personalといったビジネスソフトを、月額6980円でリースするサービス。この料金には、セットアップ料金やサポート料金をはじめ、月10時間までのインターネット接続料および電話料金が含まれている。

サービス開始の時期は、ASPサービスが7月26日から順次、ネットリコーパックは7月24日となっている。ネットリコーパックは、北海道、東京、大阪など5地区を対象にスタートし、今年11月までに対象地域を全国に広げる見込みだ。

「このままでは“複写機事業のリコー”になってしまう」

同社顧客の80パーセントは中小規模の企業であるが、インターネット未導入の会社も多いという。今回発表されたネットリコーの事業強化は、こうした企業に焦点を当てたもので、2001年3月までに40万人(リコー談)の会員を集めたいという。

同社の主力事業である複写機事業は、毎月の定期点検や、サプライ製品のデリバリー、コピー料金の請求/回収など、顧客とのトランザクションが多いビジネスとなっている。同社はこれを活かし、自社製品だけでなく、日本アイ・ビー・エム(株)や(株)日立製作所など他メーカーと契約を結び、リセーラーとして収益を挙げていた。

ところが、インターネットによる商品の受発注は盛んになるにつれ、リセーラーを“中抜き”にするメーカーのウェブ直販サービスが立ち上がってきた。「このままでは、“複写機事業のリコー”になってしまう」(販売事業本部E事業部 事業部長の西本昌之氏)との危機感を抱く同社では、他社製品の販売事業を縮小せず、むしろサービスを増やすことで顧客のニーズに応えたいとしている。

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