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富士通研究所、宛先明示方式によるマルチキャストデータ配信技術を開発

2000年07月21日 00時00分更新

文● 編集部

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(株)富士通研究所は18日、OS技術と通信技術を基盤とした新しいコンピューター環境の確立を目指す研究グループの“WIDE Project”と共同で、次世代インターネットプロトコル“IPv6”*1 に基づいた宛先明示方式によるマルチキャストデータ配信技術“MDO6”を開発し、インターネット上での実証実験に成功したと発表した。

*1 IPv6:Internet Orotocol Version 6の略。次世代インターネットのプロトコル標準のこと。アドレス空間の拡張やセキュリティーの強化、モバイル環境支援などの特徴を持つ。

“MDO6(Multiple Destination Option on IPv6)”は、パケットの宛先として、チャネル識別子のかわりに、明示的に行きたいアドレスのリストをIPv6拡張ヘッダとして格納する技術。ルーターは、MOD6パケットを受け取ると、リスト全ての宛先を既存の経路表で中継先検索を行なったあと、中継先が同じものをまとめて送り出すことで中継を行なう。チャネルを増やす場合も、チャネル管理サーバーが増えるだけで、ルーターの経路表には変化がないという。

これにより、インターネット包装コストの削減とともに、これまでインターネットでは実適用が極めて困難であったフルビデオオンデマンド *2、多地点ビデオ会議、および対戦型ネットワークゲームなどで、マルチキャストによる高性能・低コスト化が実現できるという。

*2 フルビデオオンデマンド(Full VoD):受信者の見たい時に番組を配信するシステムのうち、視聴指示を出してから即座に実際の配信が始まるシステム。ほかに、視聴指示が出てもある程度要求がまとまるまで配信しなかったり、複数チャネルで同一番組を時差放送して適当なチャネルから受信する方法の“near VoD”がある。

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