マイクロソフト、次世代プラットフォーム『.NET Platform』および開発ツール『Visual Studio .NET』の技術説明会を開催
2000年07月19日 00時00分更新
マイクロソフト(株)は19日、報道関係者を対象に次世代プラットフォーム『Microsoft
.NET Platform』および開発ツール『Microsoft Visual Studio .NET』の技術説明会を同社内で行なった。
説明を行なった同社.NETソリューション開発部メンバー |
『.NET Platform』は、次世代インターネットを利用したソフトウェアおよびサービス構想“Microsoft
.NET”の基盤となるプラットフォーム。.NET Platformは、Windowsとフレームワーク群“.NET
Framework”、.NET Platform用のサーバー製品群“.NET Enterprise Server”、ユーザー認証といった基本的なサービスをあらかじめ提供する“Building
Block Services”で構成される。
.NET Frameworkは、.NETで提供するアプリケーションやサービスに向けた共通基盤を構築するために必要な機能を提供するフレームワーク群。スケーラビリティー(拡張性)を念頭において設計しているという。コアエンジンである“Common
Language Runtime”を始め、OSに近い部分を担当する“Base Framework”、データアクセス機能とXML機能を提供する“Data/XML”、SOAP(Simple
Object Access Protocol)を利用してサービスを公開する“Web Services”、ウェブベースのユーザーインターフェースを提供する“WebForm”、クライアントアプリケーション機能を提供する“WinForm”で構成されている。
コアエンジンのCommon Language Runtimeは、複数のプログラミング言語をサポートしており、業務に適したプログラミング言語を選択できる。多言語間でのコードの再利用も可能で、IL(Intermediate
Language)をネイティブなコードへ変換できるコンパイル機能や、メモリー管理機能を備えている。
さらに、.NET Frameworkには、“Active Server Pages+”(ASP+)技術も統合されている。ASP+はウェブサービスを展開するためのプログラミングモデルで、これによりユーザーはアプリケーションを従来より容易に開発できるようになるという。
Visual Studio .NETは、Microsoft C#を実装
Visual Studio .NETは、Visual Studio 6.0の後継で、.NET Platform用に設計された開発環境。Visual BasicやVisual C++などのほか、ウェブサービス構築用のオブジェクト指向型プログラミング言語『Microsoft C#』を搭載しており、開発者は.NETアプリケーション/サービスを開発する際、自分の得意な言語を利用できるという。なお、Visual J++は米サン・マイクロシステムズ社との訴訟が続いているため、現時点でVisual Studio .NETに実装することはできないという。同社は、Windowsプラットフォームから.NETプラットフォームへの変革をうたっているが、.NETプラットフォーム上で既存のすべてのアプリケーションを動作できるわけではない。.NETに対応できないアプリケーションについては、今後もWin32 APIで対応していくとしている。また、既存のアプリケーションは順次.NETに対応していくとしながらも、すべての機能が.NET対応でなければならない理由はないという割り切りも見せている。そのため.NET対応アプリケーション/サービスと、既存のWin32 API対応アプリケーションは互いに補完し合っていくと同社では説明している。