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【MACWORLD Expo/NY2000 Vol.2】直前情報!! Power Mac G4 Cubeや、業界初のボタンレスマウスなど新機種ラッシュの予感!

2000年07月19日 00時00分更新

文● 林 信行

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MACWORLD EXPO/2000が開催されるニューヨーク市のジャビッツセンター。1ヵ月前には同じ会場でPC EXPOが開催され話題を呼んだ
MACWORLD EXPO/2000が開催されるニューヨーク市のジャビッツセンター。1ヵ月前には同じ会場でPC EXPOが開催され話題を呼んだ



米国ニューヨーク時間で7月19日の朝9時(日本時間で同日夜10時)、毎年恒例のMACWORLD EXPO/NEW YORKが、アップルコンピュータCEO、スティーブ・ジョブズ氏の基調講演で幕あける(基調講演の模様はアップル社がQuickTimeストリーミングを使ってインターネット中継する予定だ(http://www.apple.com/quicktime/qtv/mwny00/)。

今回のEXPOは、アップル社から久々の新製品登場が期待されており、会場は開催前日から異様な熱気に包まれていた。

15cm角のPower Mac G4 Cubeや、業界初のボタンレスマウスなどに期待

ここで現在、発表が噂されている新機種の情報をまとめてみよう。

1)1辺が15cmほどの小さな立方体型Mac、Power Mac G4 Cube(スロットイン式のDVD-ROMドライブと大きなスピーカーを搭載。Macの電源をつけずに音楽CDの再生ができるという情報もあり)
2)昨年9月以来久々のリニューアルとなる新iMac
3)新Power Mac G4(加ATI社のGPU、RADEONを搭載)
4)18インチの液晶モニター、Apple Cinema Display(アスペクト比は4:3)
5)Apple Studio Display(17インチモニター採用)

この他にiBookやPowerBookの内蔵ハードディスク容量が変更されるという情報もあるが、中でも今回、一番熱い注目を集めているのは従来の4つの製品マトリクスからちょっと浮いてしまう(1)の存在と、これら新機種に付属すると言われている新しいUSBマウス/キーボードだ。

特に新しいマウスは、業界でもおそらく始めてのボタンが一切ないマウスになると言われており注目を集めている(ボタンを押す代わりに、強く握る/机に軽く叩きつける/左右に傾けることでさまざまな操作が可能になると言われている)。

(1)は名前こそ、『Power Mac G4 Cube』だが、これこそが以前から噂のあったモニター無しiMacと取ることもできる。製品価格が安ければ新しいCinema Displayなどと組み合わせて購入するユーザーも多いはずだ(特にiMacのモニターを手狭に感じ始めたiMac2年生には最良の選択肢と言えそうだ)。

(2)に関しては今日のアップル社2000会計年度第3四半期の業績報告の中で、同社フレッド・アンダーソン氏が登場を予告するような発言を行なった。氏は第3四半期のiMacの売り上げが予想を下回っていたことに触れ、「現在、発売されているiMacが発表されたのは今から9ヵ月前」、「我々は今後、12ヵ月にわたって次々と新製品を投与していく構えがある」、「明日(MACWORLD EXPO/NEW YORKで行なわれるスティーブ・ジョブズCEOの基調講演の後)には状況は大きく変わるはずだ。きっと多くの人を驚かすことができると思う」などと語っている。

(3)に関しては、加ATI社が以前からRADEONの正式出荷開始を同イベント開催日にあわせていたことからも可能性が高い。実際、会場には早々とATI社RADEONの垂れ幕が掲げられていた(下写真参照)。
 
なお、一部ではマルチプロセッサー仕様(複数CPU搭載)Power Mac G4の噂もあったが、今回はシングルプロセッサーモデルだけを発表する可能性もある(マルチプロセッサーモデルは発表は行なっても出荷はまだ先になるだろうと言うのが大方の見方だ)。

ATI社の新GPU、RADEONはこのMACWORLD EXPO開催にあわせて出荷が始まる(Mac版と同時にWindows版の出荷も始まる)。会場には既にRADEONの大きな垂れ幕が掲げられていた。5月に来日した同社CEO、KYホー氏はこのEXPOでMac用RADEONを大々的に発表できると語っていた
ATI社の新GPU、RADEONはこのMACWORLD EXPO開催にあわせて出荷が始まる(Mac版と同時にWindows版の出荷も始まる)。会場には既にRADEONの大きな垂れ幕が掲げられていた。5月に来日した同社CEO、KYホー氏はこのEXPOでMac用RADEONを大々的に発表できると語っていた



(4)と(5)は、従来のPower Mac G4と、新しいPower Mac G4 Cubeに対応予定だ。これによりPower Macという製品の定義はモニター分離型のMacに置き換わるかも知れない。

会場に設置された謎の白い垂れ幕は何を暗示する?!

なお、アップルはこれ以外にも、この夏にパブリックベーター版を公開予定のMac OS Xの紹介や、同じくこの夏中にリリース予定の新QuickTime(MPEG-1/2のエンコードおよびデコード、ストリーミング再生に対応)などを発表することも見込まれている。

米時間18日、同EXPOが開催されるジャビッツセンターを覗くと、アップル社が展示をすると見込まれているエリアは黒いカーテンで包まれており、外から一切覗けないようになっていた。このカーテンはおそらく明日、スティーブ・ジョブズの基調講演の最中に開かれ、期待の新製品が顔を覗かせるはずだ。多くの来場者はその前で噂に花を咲かせていた。

黒いカーテン。アップル社が出店をする場所は大きな黒いカーテンで完全に包まれていた。このカーテンはおそらく明日、スティーブ・ジョブズの基調講演の最中に開かれ、期待の新製品が顔を覗かせるはずだ
黒いカーテン。アップル社が出店をする場所は大きな黒いカーテンで完全に包まれていた。このカーテンはおそらく明日、スティーブ・ジョブズの基調講演の最中に開かれ、期待の新製品が顔を覗かせるはずだ



これまでの常識で考えれば、アップルが一度にこれだけの新製品を発表する可能性は少ない。一度に多くの製品を発表すると、その分、製品1つ1つの存在感が薄れてしまうからだ。しかし、iMac以外の製品も独自のアイデンティティーを確立し人気が出てきた今日なら、より少ない混乱で新機種の大量発表ができるかも知れない。

なお、仮に今回のイベントでこれら全製品を同時発表できなくても、アップル社が参加する大型イベントはまだまだ年内にある。

来月末には米国サンフランシスコでシーボルドセミナーが、9月にはパリでアップルエキスポが、そして10月には日本で“World PC Expo”の開催が控えている。つまり、仮に何らかの理由で、今回の発表を逃しても、まだまだ年内に新機種が発表されるチャンスはいくらでもあるのだ。ほとんど1ヵ月おきに新製品やモデルチェンジの発表があった昨年と比べ、今年はただ1度、MACWORLD EXPO/TOKYOで新機種発表が行なわれたたけだが、前出のアンダーソン氏は「アップル社が今後12ヵ月に市場投入すべき製品はまだまだたくさんある」と語っており、年末に向けての新製品攻勢が期待できそうだ。

明日の基調講演に備えて、エキスポ会場となるジャビッツセンターで登録を済まし、会場を一通り見回した後、帰路につくと正面玄関の上には大きな真っ白の垂れ幕が3つ待ちかまえていた。垂れ幕の上には、何やら別の垂れ幕がいつでも開けるように巻かれた状態で準備されていた。おそらく明日の基調講演の最中には、この垂れ幕がおり、今年後半のアップルを牽引する新製品の姿がEXPO来場者を出迎えることになるはずだ。



ジャビッツセンターの正面入口の上には3つの真っ白な垂れ幕がつるされていた。垂れ幕の上には巻かれた状態の別の垂れ幕が用意されている。おそらくこれらはアップル社の新製品の垂れ幕だろう
ジャビッツセンターの正面入口の上には3つの真っ白な垂れ幕がつるされていた。垂れ幕の上には巻かれた状態の別の垂れ幕が用意されている。おそらくこれらはアップル社の新製品の垂れ幕だろう

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