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TSMC、プレス懇談会を開催──300mmウエハーの量産開始は2001年12月を予定

2000年07月14日 00時00分更新

文● 編集部 小林久

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台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)は、14日、国内のプレス関係者を対象にした事業説明会を行なった。説明会には、同社の副社長で総工場長を兼任するリック・L・ツァイ(Rick L. Tsai)氏が出席し、300mmウエハー製品の生産目標などのロードマップを示した。

リック・L・ツァイ氏
リック・L・ツァイ氏



TSMC社は、自社の工場を持たずに半導体の設計のみを行なうファブレス企業などから注文を受け、半導体の生産を行なう“ファウンドリー企業”で、'99年度の収益ベースでのシェアは約33%。同市場のトップを占める。また、今年1月にはシェア4パーセントの台湾Worldwide Semiconductor Manufacturing Company(WSMC)を吸収合併した。

発表の冒頭でツァイ氏は、最近ではファブレス企業からの委託を受ける従来のビジネスに加え、IDC(Integrated Device Manufacture:自社で半導体の設計から生産までを行なえるメーカー)からの委託を受けたり、ファウンドリー自身が半導体設計を行なう機会が増えていることを指摘。その背景として、(1)新しく半導体市場に参入する企業は大半がファブレス企業である点、(2)IDMもSOC(Silicon On Chip)のような複雑なチップの生産技術を自社だけでカバーすることが難しく、迅速な市場への対応と設備投資の負担を軽減するために、ファウンドリーに頼らざるを得ない状況にあることなどを挙げた。

ツァイ氏は、ファウンドリー市場は2004年までの年率平均で15~20%で拡大し、現在106億ドル(約1兆1100億円)規模の市場が、2004年には360億ドル(約3兆7800億円)にまで成長すると分析。TSMCは、拡大する市場の中で、生産規模・技術の両面でリーダシップを取るとした。

同社では、生産規模を年率平均で59%向上させる予定で、2001年にはウエハーの生産枚数を、2000年の340万枚規模(8インチウエハー換算)から、480万枚規模に増強し、現在の5~6位のシェア(6%程度)からトップ3(7%程度)に入ることを目標に掲げている。そのために2000年度にTSMC自体が38億ドル(約4000億円)、ジョイントベンチャーが10億ドル(約1050億円)規模の設備投資を行なうほか、2001年以降も同額またはそれよりも高額の投資を行なっていく。

一方、技術面でのリーダーシップに関しては、(1)すでに0.15μmプロセスでの生産を開始し、0.13μmプロセスの生産も年内に可能となるなど、高いプロセス技術を持っている点、(2)300mm(12インチ)ウエハーの技術に関しても他社に先駆けている点などを挙げた。

TSMCでは今年の12月上旬に300mmウエハーのパイロットラインを稼動させ、0.18μm/0.15μm/0.13μmプロセスに順次移行していく。また、量産用に新たな生産ラインを起こす予定で、まず、2001年12月に新竹のFab12で月産2万5000枚程度の生産能力を確保。その約半年後には台南に建設中の新工場Fab14のラインも稼動させ、2002年には7万9000枚の生産を行なう。

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