(株)オークテクノロジーは13日、都内で記者発表会を開催し、デジタル複合プリンター(Multifunction
Products(MFP))開発者向けのハードウェア『emPOWER』とそのソフトウェア『Integrated
Print System(IPS)』を発表した。また合わせて、レーザープリンターのコントローラーチップ『PM-24』を発表した。これらの製品はすでに出荷を開始しているという。
米オークテクノロジー社は、CD-ROMコントローラーチップなどの光学関連製品と、プリンターコントローラーなどのイメージング関連製品の各市場向けに、組み込みシステム用ソフトウェアや半導体チップを提供している。
米オークテクノロジー社、イメージンググループ バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのサイモン・ドーラン(Simon Dolan)氏 |
同社によれば、emPOWERとIPSを組み合わせることで、ファクスやコピー、プリンターなどの機能を備えたMFPコントローラー部分の、システムソフトウェアやハードウェアの開発が行なえる。また、emPOWERのチップそのものを、MFPコントローラーの部品として使用することもできるという。
コントローラー開発用ソフトウェアであるIPSは、同社が'99年7月に買収した、米Xionics
Document Technologies社が開発した技術をベースとしたもので、米ヒューレット・パッカード社のページ記述言語“PCL(Printer
Command Language)”、米アドビシステムズ社の“PostScript3”や“PDF”のインタープリターを含んでいる。最新バージョンであるIPS
4では、アドビのPDFファイルを、直接ビットマップに展開してプリントする機能を備えているという。これにより、パソコンを使わずにPDFファイルを直接印刷するプリンター製品の開発が可能としている。
emPOWERおよびIPSと同時に発表されたPM-24は、モノクロとカラーのレーザープリンターのコントローラー向けに開発されたコントローラーチップ。ラスターデータをビットマップに展開するプリレンダリングを、コントローラー側でなく、ホストとなるパソコンなどに任せ、そのデータを圧縮してプリンターコントローラー側に送ることで、プリント性能を保ちながらコントローラーコストの低減が図れるとしている。プリレンダリングをホスト側に任せる仕組みの背景には、ホストとなるパソコンのCPU能力の向上がある。この仕組みにより、600dpi×600dpi(モノクロ)で毎分60枚、600dpi×600dpi(カラー)で毎分25枚の処理が可能になるとしている。