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【PC EXPO 2000レポート番外編】EXPO会場をにぎわせた小物たち

2000年07月10日 00時00分更新

文● 菊地 薫

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米コダック社のデジタルカメラ『Kodak DC290』にハンドグリップ付きフラッシュがと思いきや、裏に回ってみるとGPSレシーバー。GPS位置情報入りの画像を撮影したり、GPS情報をタグ情報として画像ファイル内に記録するデバイスだ。実はこれ、『GPS-260』(本体DC260相当)というほぼ同様のシステムがコダック(株)からすでに発売になっているのだが、GPS-260が44万円もするのに対して、新しいシステムではモジュールごとの別売りが可能になり、DC290(799ドル、約8万5800円)+ハンドグリップ型のGPS接続キット(499ドル、約5万3600円)+Garmin社GPSレシーバー『GPS III』(実勢価格350ドル、約3万7600円)で、しめて1648ドル(約17万7000円)とその半額以下。このシステムは、本来、土木や通信分野での施設写真の記録や位置情報の管理用に開発されたものだが、ここまで来るとアメリカではすでに個人でも手が届く範囲と言える。

画像取り込みデバイス『VMS 200』
画像取り込みデバイス『VMS 200』



また、アメリカではGPSデータに対応した地図ツールも揃ってきているが、その1つが米Red Hen Systems社の『MediaMapper 3.0』(http://www.redhensystems.com/)。GPSデータ入りの画像をアプリケーションで3次元データベース化する。つまり、ディスプレー画面上の地図の一点をクリックすると関連する画像が表示されようになるというわけだ。写真は、同社のマッピングデータ取り込み用のデバイス、『VMS 200』。スチル画像(Kodak DC290のみ)だけでなく、動画データも取り込める(ソニーの各種8ミリビデオカメラ、Hi-8、DVカメラに対応)。

デジタルカメラ関連製品

防塵防水型の『Kodak DC5000』
防塵防水型の『Kodak DC5000』



米国では、昨年あたりからやっとデジタルカメラのブームに火がついたという感じだが、コダックをはじめとする各社のブースの人気はかなり高かった。特に一般入場者の関心を強く惹いたようだった。写真は、間もなく市場に投入される予定の210万画素の『Kodak DC5000』。同社としては、初の防塵防水型デジタルカメラ。幅140×奥行き89×高さ83高さmm、重さ459g。

『IMAGE EXPERT 2000』のアルバム画面
『IMAGE EXPERT 2000』のアルバム画面



デジカメファンにお薦めしたいと思ったソフトがこれ、米SerraImaging社の『IMAGE EXPERT 2000』だ。一見するとよくあるアルバムソフトだが、超高速の画像オーガナイザー。普通にアルバムを作ってもよいが、画像データのあるフォルダーをクリックするだけで自動的にアルバムを作成してくれる。単なるビューワーにとどまらず、簡単なレタッチ機能、編集機能、Webサイトの画像ファイル機能などもある。基本的には、JPEGファイルととBMPファイルを対象とするが、アップルコンピュータ社の『QuickTime 4』が組み込んであれば、AVI、DV、TIF、GIF、FLC、FPX、MOV、PNG、PSD、QIF、SGI、TGA、WAVにも対応できる。値段はCD版が69.95ドル(約7500円)だが、同社のサイト(http://www.sierraimaging.com/)からダウンロード版を49.95ドル(約5300円)で入手できる。Windows 95/98/NT/2000対応版のほか、Windows CE対応版もある。

ヘビーデューティーなモバイルマシン

Melard Technologies社の『SCOUT2』ディスプレー左上に突き出ているのはワイヤレスモデムのアンテナMelard Technologies社の『SCOUT2』ディスプレー左上に突き出ているのはワイヤレスモデムのアンテナ



米Melard Technologies社のアウトドア派というよりも建設現場などの全天候用サブノートSCOUT2。何がすごいかというと、動作環境が-20~60度まで保証されていることだ。プロセッサーはAMD K6-233MHz、HDDは6GB、ワイヤレスモデムを内蔵。液晶ディスプレーは、6.4インチTFTのほかに、“トランスフレティブ”という、特殊フィルターを使用して日光の下でも画面がしっかり読めるものも用意される。筺体はマグネシウム合金製で、当然、防塵防水性だが、振動吸収性もある。重量2.5kgは、がっしりとした作りの割には軽く感じられる。

『Sidearm』こちらもディスプレーの右上にワイヤレスモデムのアンテナが装備されている
『Sidearm』こちらもディスプレーの右上にワイヤレスモデムのアンテナが装備されている



同じくMelard Technologies社の全天候用Windows CE機『Sidearm』。プロセッサーにはインテルStrongARM-206MHzを使用。重量はバッテリー込みで1.1kg。

ノート用バッテリーからDSLサービスまで

ノートPC用の外付けバッテリー『PowerPad 210』
ノートPC用の外付けバッテリー『PowerPad 210』



カナダのElectrofuel社の新製品『PowerPad 210』。21時間の持続時間を誇るノートPC用高性能バッテリー。ノートの下に敷いたり、マウスパッド代わりに使える。スーパーポリマーリチウム電池を使用したもので、充電時間は2.5時間。重量は1.3kgと決して軽いとは言えないが、サイズはA4ノートとほぼ同じ幅295×奥行き220×高さ10mmなので、特殊な形のバッテリーよりむしろ持ち運びやすい。アウトドアなど電源のない場所で本格的な仕事を可能にしてくれるありがたい製品だが、値段のほうは799ドル(約8万6000円)とちょっと高め。

名刺サイズのCD-ROM『MicroCD』
名刺サイズのCD-ROM『MicroCD』



変形CDを使った新種のビジネス(?)。CD-ROMをもっと気軽にメディア代わりに使おうよ、という商売のよう。名刺、企業広告、ビデオクリップ広告、プレスリリースなど用の米iAccess.com社のメディアサービス。そう、650MBのCD-ROMは、大きさもかさばるが、フルに情報を詰め込まれると見るほうも腰がひけてしまう。簡単な情報なら、ポケットや名刺入れに収まるサイズのほうがいいに決まってる。

『DocuPort』
『DocuPort』



米RCA社の新製品、モバイル用のマルチプリンター『DocuPort』。ファクシミリ、プリンター、コピー、スキャナーがこの1つで足りてしまう。印刷解像度は、200×200dpiまたは200×400dpi。コンパクトさと多機能性の両立が目を惹いた。サイズは、 幅304.8×奥行き76.2×高さ31.44mm、重さ903g。

尚、RCAのブースには、『DocuPEN』というハンディスキャナーのプロトタイプもあった(写真は撮らせてもらえなかった)。形状は文鎮のようでいながら、重さは50g程度。それでいて本体内に100ページ分程度をメモリーできる。図書館やビジネスミーティングの時などに便利そう。それにしても、思い切っり丸みを帯びたブラウン管のテレビをアメリカ国内ではいまだに販売しているRCAだけに、ちょっと意外に感じた出品だった。

『RIO600』
『RIO600』



会期中に発売になったばかりの米ダイヤモンドマルチメディア社のデジタルオーディオプレーヤー(MP3、Windows Mediaファイル対応)、『RIO600』。現行の『RIO500』との大きな違いは、デザインがポップになったことと、メモリーに拡張性が備わったこと。内蔵標準メモリー32MBで約1時間の音楽再生が可能だが、オプションのマイクロドライブバックアップを使用すると約10時間の再生が楽しめる。価格は、169.95ドル(約1万8200円)。

米WorldLink Technologies社がニューヨークエリアを対象にサービスするDSLサービス“evolvingedge”。784kbps繋ぎっぱなしで月あたり4000円強とはうらやましいかぎり
米WorldLink Technologies社がニューヨークエリアを対象にサービスするDSLサービス“evolvingedge”。784kbps繋ぎっぱなしで月あたり4000円強とはうらやましいかぎり



米国では昨年後半あたりから、DSL(Digital Subscriber Line)を利用したインターネット接続が破竹の勢いで全国的に普及し始めた。ニューヨーク地域のDSLインターネットサービスプロバイダーが、こんな手書きの立て看板を出していた。わざわざポスターを作るほどには、もう珍しくも何ともないということだろうか。784kbpsで繋ぎっぱなしが、IP接続料込みで月々わずか39.99ドル(約4300円)だ。

また、高速のインターネット接続ということでは、米Omnitro Systems Technology社が光ファイバーラインからギガビットネットワークや10BASE-T/100BASE-TXのEthernet用に信号をコンバートする製品を展示していた。かなりきめの細かい製品ラインアップができあがっているのにやや度肝を抜かれた。米国では、政府機関を中心に光ファイバーの導入が進んでいるが、利用可能な地域に住んでいればすでに個人でも利用できるし、実際、同社製品には個人ユーザーもいるそうだ。

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