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NECビューテクノロジー、重さ1.5kgのDLP方式プロジェクターを発表――UXGA表示に対応しCFスロットも装備

2000年07月06日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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NECビューテクノロジー(株)*は5日、都内で記者発表会を開催し、重さ1.5kgで、UXGA(1600×1200)表示に対応したDLP方式*のプロジェクター『ビューライトLT150J』を発表した。価格は79万8000円で、9月に出荷予定。LT150Jはコンパクトフラッシュスロットを備えており、パソコンなしで、JPGファイルの表示が可能。PowerPointファイルの表示にも対応予定という。

*NECビューテクノロジーは、日本電気グループにおいて、プロジェクター、スキャナー、ネットワーク端末などの技術開発、製造、販売を担当する4月1日に設立された、日本電気(株)が100パーセント出資する子会社。

*DLP(Digital Light Processing):超小型の鏡を半導体チップ上に並べたDMD(Digital Micromirror Device)を使用した、デジタル制御による画像表示技術およびシステム。米テキサス・インスツルメンツ社が'87年に開発した。鏡の角度をコントロールすることで、光を反射して画像を表示する。光を透過させて表示させる液晶方式に比べ、ロスが少ないため、同じ光源でもより明るくコントラストの高い表示が可能とされる。

雄川孝志社長
雄川孝志社長



『ビューライトLT150J』
『ビューライトLT150J』



ビューライトLT150Jは、0.7インチのXGA(1024×768ドット)DMDを使用し、光時分割合成方式*による表示を行なっている。筐体にマグネシウム合金を使用して軽量化したほか、電源部や回路基板を小型化し、全体として横238×奥行き196×高さ53mmと、従来モデル『ビューライトLT140』に比較して体積が約40パーセント小さくなっている。画像の明るさは、800ANSIルーメンで、コントラスト比は800:1となっている。RGBとコンポジットビデオ、Sビデオ入力を備える。

*光時分割合成方式:3原色の光を高速に切り替えてDMDに反射させて色を表現する方式。3原色の光を照射する長さを制御することで、色の表示を行なう。

LT150Jの背面。右側に見えるのがCFスロット。USBマウスも接続できる
LT150Jの背面。右側に見えるのがCFスロット。USBマウスも接続できる



通常、DLP方式でも液晶方式でも、1024×768ドットのデバイスを使用した場合、表示は1280×1024まで対応するのが一般的だが、LT150Jでは、独自の“Advanced AccuBlend”機能により、1600×1200ドット表示に対応した。

LT150Jは既存モデルのLT140と同様に、コンパクトフラッシュスロットを備え、パソコンがなくても、JPEGファイルの表示が可能となっている。LT150Jではさらに、出荷開始後にソフトウェアのバージョンアップを行なうことで、プレゼンテーションソフト『Microsoft PowerPoint』のファイル(pptファイル)を、JPEGファイルに変換することなく、直接表示することができるようにするという。このアップデートファイルは同社のホームページで、10月に提供開始予定としている。

Windowsのエクスプローラーのようなユーザーインターフェースで、コンパクトフラッシュのファイルを扱うことができる
Windowsのエクスプローラーのようなユーザーインターフェースで、コンパクトフラッシュのファイルを扱うことができる



同社の駒田洋営業本部長代理兼国内営業部長によると、LT150Jは国内だけでなく、10月以降、海外での販売も予定しており、国内と海外を合わせて、今後1年間に1万台の販売を予定しているという。海外向けにはSVGA(800×600ドット)のDMDを搭載した下位モデルも販売する予定としている。

DLP方式のプロジェクターは、ようやく80万円を切る製品が登場し始めたところだが、ビジネスや教育機関で普及しつつある。今後は家庭用途に向け、30万円程度の製品の登場が待たれるが、このクラスの製品について駒田氏は、「DLPシステムの価格は低下しつつあり、年末から来年に掛けて、SVGAクラスで実売価格が30万円台の製品が出てくる可能性はある」とコメントした。

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