このページの本文へ

ACCESSと三井物産、車載機器向けブラウザー『NetFront for ITS』説明会を開催

2000年07月05日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)アクセス(ACCESS)と三井物産(株)は5日、ACCESSの組み込み機器用ウェブブラウザー『NetFront』のカーナビゲーションシステム対応について、開発者向けの説明会を都内で開いた。両社は通信対応のカーナビ向け地図配信システムの展開で5月に提携を発表。ACCESSではカーナビに対応するNetFrontの次期バージョンでXMLや動画配信などに対応、将来のITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)や自動車向けインターネットサービスにいち早く対応するという。

三井物産本社で開かれた説明会
三井物産本社で開かれた説明会



NetFrontはACCESSの組み込み機器向けウェブブラウザーで、より小型な機器向けには『Compact NetFront』が用意されている。現在のバージョン2.5ではHTML3.2とフレーム機能に対応、JavaScriptとCookieも備える。(株)NTTドコモの“iモード”対応携帯電話やセガ・エンタープライゼス(株)の家庭用ゲーム機『Dreamcast』といった端末機器に採用されており、同社によると組み込み市場での国内シェアは約8割に上るという。

説明会で明らかにされたロードマップによると、ACCESSでは車載機器向けウェブブラウザーの最新バージョン『NetFront 3.0 for ITS2000』を今年第3四半期にリリースする。新バージョンではHTML4.0をサポートするほか、XMLにも対応する。将来はプラグインとしてRealAudio/RealVideoプレーヤーやMP3プレーヤーも用意する計画という。

自動車の情報化をめぐっては、政府と自動車業界が進めるITSの開発が進められている。ITSでは、渋滞情報などと連動した高度なカーナビシステムや安全運転支援機能などが含まれており、高速道路の自動料金収受システムは一部で実験がスタートしている。また2001年5月に提供開始される次世代移動体通信(IMT-2000)を利用し、車載機器をネットに接続させることで動画配信を行なったり、位置情報提供サービスと地図情報を連携させるサービスといったものも計画されている。

ACCESSと三井物産の提携は、車載機器を含むモバイル端末に地図配信を行なうシステム構築で協力する内容。三井物産は地図データベースサーバーを受け持ち、ACCESSはNetFrontを提供。(株)ナビタイムジャパンの経路探索エンジン『Mnavi』を組み込んだWindows CE 3.0搭載機を対象に、ネット経由の地図・経路検索サービスを提供する。サービス開始時期は未定。

カーナビの地図データはDVD-ROMで提供されることが多いが、これをネット経由で行なえば更新も随時行なわれる上、ホテルやレストランの予約といった電子商取引(EC)につなげることも可能。自動車のIT化は、成熟した自動車産業を活性化させる起爆剤として期待されており、米フォードモーター社は米ヤフーと提携し、ヤフーのコンテンツを自動車向けに提供するほか、米ゼネラル・モーターズ社は衛星通信でドライバーに情報を提供するサービスを開始。日本でもトヨタ自動車(株)の会員制情報サービス『MONET(モネ)』が'97年からスタートしている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン