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ACCESS、ジャストシステム、プラザクリエイト、メッツの4社が、携帯電話やゲーム機など情報家電向けASP事業会社を共同で設立

2000年07月03日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)アクセス(以下、ACCESS)、(株)ジャストシステム、(株)プラザクリエイト、(株)メッツの4社は7月3日、携帯電話や家庭用ゲーム機などの情報端末(NonPC端末)ユーザー向けのASPポータルサイト事業を行なう新会社を共同出資により設立することで合意し、都内ホテルで記者発表会を行なった。

記者発表会の席上で握手を交わす4社の代表。右から、ジャストシステムの浮川代表取締役社長、ACCESSの荒川代表取締役、プラザクリエイトの大島代表取締役社長、メッツの永田代表取締役社長
記者発表会の席上で握手を交わす4社の代表。右から、ジャストシステムの浮川代表取締役社長、ACCESSの荒川代表取締役、プラザクリエイトの大島代表取締役社長、メッツの永田代表取締役社長



NonPC端末向けにアプリケーションを供給

新会社は、携帯電話やPDA、家庭用ゲーム機、デジタルTV、カーナビゲーション、デジタルカメラなど、インターネットに接続できるPC以外の情報端末(NonPC端末)向けに、さまざまなアプリケーション/サービスを提供するASPポータルサイトを運営する。現在NonPC端末市場が急速に拡大していることを踏まえ、NonPC端末を対象としたASPビジネス市場にいち早く参入するのが目的。

ポータルサイト運営のほか、各種決済システムに対応したASP方式によるアプリケーションやサービスの販売、アプリケーションベンダーやASP事業者への開発支援やマーケティング支援も行なう。

新会社における4社の役割として、ACCESSはサービス提供のプラットフォームとなるNonPC向けのASP用システム『ApplicationBed』を開発、提供する。ApplicationBedは、システムが確立した段階でオープンなプラットフォームとして市場に広げていくという。ASPサービスでユーザーに提供されるアプリケーションはJavaベースで、ACCESSの情報家電向けウェブブラウザー『NetFront』に対応している。ACCESSは、今回のASP事業に伴い、NetFrontの機能を拡張し、メーカーやキャリアに対し、情報家電へのNetFrontの搭載を促進する。

プラザクリエイトは、全国に1200店舗ある写真DPEショップ“パレットプラザ”を入出力サービスの拠点とする。パレットプラザ内に設置されている端末『デジタルステーション』を利用することで、ユーザーが専用端末を購入しなくてもサービスを受けられるようにするという。ジャストシステムとメッツは、アプリケーションやサービスの供給、およびASP事業に関するノウハウを提供する。

提供するアプリケーションに関しては、携帯電話などスクリーンサイズの小さいものに対してはスケジューラーや住所録など、TVなど比較的スクリーンサイズの大きなものに対しては画像加工などPCと同じような種類になる見込み。例として、どのNonPC端末からでも最新のスケジュールが確認でき、更新できるアプリケーションサービスや、端末でデジタル画像をレタッチした後、最寄のDPEショップでその画像を高画質プリントできるサービスなどを予定しているという。

「どの端末からでも同一アプリケーションを利用可能に」とACCESS荒川代表取締役

記者発表会場で、新会社設立について説明したACCESSの荒川代表取締役は、設立までの経緯について、「当社は最初にプラザクリエイトと、その後ジャストシステム、メッツとそれぞれ個別に業務提携をしていたが、ASP事業に必要なソリューションを提供できる環境を整えるためには、1つの事業会社にしたほうがいいということになった」と語った。

新会社の事業内容については、「NonPC端末に対し、アプリケーションをインターネット経由で提供できる仕組みは世界でも例がなく、各社のASP事業とバッティングするものではない。NonPC端末はスペックに制限があり、アプリケーションをインストールできる環境にもなっていない。しかし、NonPC端末上で利用できるアプリケーションの進化は望まれている。その要望に対応するためにはネットワーク経由でアプリケーションを供給できる環境を作らなければならない。既存の流通ではアプリケーションの供給は難しいので、ポータルサイトを用意し、どのような端末からでも同一アプリケーションを利用できるようにする」としている。

iモードをはじめ、情報家電向けブラウザーで80パーセントのシェアを持つACCESSの荒川社長。「現在、iモードが注目されているせいもあって、NonPC市場のメインは携帯電話と思われているが、われわれは、携帯電話、カーナビゲーション、ゲーム機、電話機は、世帯への普及率を考えるとそれぞれ同じくらいの市場規模だと思っている。これから作るビジネス市場なので競合企業は特にないが、怖いのはハードウェアメーカーの内政圧力。メーカーは何でも自分のところで囲い込もうとするから」とコメントiモードをはじめ、情報家電向けブラウザーで80パーセントのシェアを持つACCESSの荒川社長。「現在、iモードが注目されているせいもあって、NonPC市場のメインは携帯電話と思われているが、われわれは、携帯電話、カーナビゲーション、ゲーム機、電話機は、世帯への普及率を考えるとそれぞれ同じくらいの市場規模だと思っている。これから作るビジネス市場なので競合企業は特にないが、怖いのはハードウェアメーカーの内政圧力。メーカーは何でも自分のところで囲い込もうとするから」とコメント



右から、ジャストシステムの浮川社長、プラザクリエイトの大島社長、メッツの永田社長。「われわれが先駆けて、多くのASP業者が参加できるシステムを作る」(浮川社長)、「ACCESSはNonPC向けブラウザーのグローバルスタンダードと認識している。全力で対応していきたい」(大島社長)、「NonPCは日本から世界に打って出るもの。4社が協力するのは有意義なこと」(永田社長)とそれぞれコメントした
右から、ジャストシステムの浮川社長、プラザクリエイトの大島社長、メッツの永田社長。「われわれが先駆けて、多くのASP業者が参加できるシステムを作る」(浮川社長)、「ACCESSはNonPC向けブラウザーのグローバルスタンダードと認識している。全力で対応していきたい」(大島社長)、「NonPCは日本から世界に打って出るもの。4社が協力するのは有意義なこと」(永田社長)とそれぞれコメントした



新会社は2001年に本格稼動

4社は本日、都内ホテルの一室にて新会社設立に関する合意書に調印したと発表した。新会社は7月下旬に都内に設立される予定で、会社名称は現在未定。資本金は1億円で、出資比率はACCESSが60.1パーセント、ジャストシステム/プラザクリエイト/メッツの3社がそれぞれ13.3パーセント。

新会社の代表取締役社長にはACCESSの代表取締役の荒川亨氏が就任し、ジャストシステム代表取締役社長の浮川和宣氏、プラザクリエイト代表取締役社長の大島康広氏、メッツ代表取締役社長の永田典久氏の3名はそれぞれ取締役に就任する。

新会社設立後、8月に業務を開始し、8~10月までの3ヵ月間で製品のリリースなど具体的な事業計画を立てる。その後、11~2001年2月までの4ヵ月間で、アプリケーションの開発やサービス提供用のサーバーの立ち上げなど事業の本格スタートに向けた準備を行なう。事業の本格稼動は2001年3月か4月になる見込み。ACCESSの荒川社は、「2001年3月ごろになれば、新会社が提供するASPサービスを利用できるNonPC端末が出荷され、ユーザーがASPサービスを利用できる環境が整うはず」としている。

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