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【PC EXPO 2000レポートvol.6】続報 ソニーのPalmマシンとCrusoe搭載サーバー

2000年07月03日 00時00分更新

文● 塩田紳二

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ソニーPalm機追加情報

PC EXPOソニーブースで展示が行なわれていたソニーのPalm機(PEG-S500C)であるが、PC側とのインターフェースがUSBであることが判明した。ソニーブース内には、2つのPEG-S500Cプロトタイプがおかれている。最も目立つところに展示してあるプロトタイプはクレイドルの接続ケーブルの先が隠されていて見ることはできないが、会場の端に置かれているもう1つのプロトタイプは、クレイドルの接続ケーブルの先端が見え、そこにはUSBコネクタが見えた。

クレイドルの後ろに挟まるように見えるのが“問題の”USBコネクタ
クレイドルの後ろに挟まるように見えるのが“問題の”USBコネクタ



説明員にインターフェースをたずねても「I don't know」というのみであったが、現時点で答えたくないのなら、ケーブルの先端ぐらい見えないように処理しておくべきであったろう。ただ、最近のPalmやVISORでは搭載メモリも増えており、そろそろ速度的にもシリアルではきついところ。USBの採用はかなり素直な判断といえる。なお、そうなると、充電をどうするか? という問題になるが、クレイドル背面の正体不明のコネクタは、充電器を接続するためではないかと推測される。
もっとも、PCのUSBポートから供給される電源を使うという可能性もあるが、基本的にはBus Powerdのラインでのみ利用可能で、パッシブハブ(電源を必要としないUSBハブ)の先に接続したのでは利用不可能ということと、あまり大電流を供給できないので、充電には向かないのではないかという問題がある。だとすると、充電器を接続するためのコネクタという可能性が高い。では、なぜ、あんなにピン数が多いのだろうか? 通常、充電器とクレイドルは、デスクトップで使うかぎり、一度接続したらそのままにしておくのが普通(筆者のWorkpad c3もそういう状態である)だろう。充電器以外を接続して他の用途に使うというのはあまり考えられない。

もし、PEG-S500Cとクレイドル背面のコネクタが同一であるとするなら、充電器は、PEG-S500Cにも直接接続可能であるはず。つまり、最近のPDC携帯電話器のように、電話器に直接充電器を接続できるようになっているのではないだろうか?

会場には、*メモリースティックをストレージだけでなく、I/Oデバイスとして使った場合の例としてさまざまなモックアップがおかれていた。実際、今回のPC EXPOのHandspringブースでは、さまざまなSpringboardがサードパーティから出展されていて、拡張機能による利用分野の拡大を感じることができた。*ある意味、現時点ですでに拡張スロットを持たないPalm Inc.のPalmシリーズとは違った製品になりつつある。その意味では、ソニーにも早期にスチルカメラモジュールなどのI/O系のメモリースティックを出してもらいたいものである。

将来のメモリースティックのモックアップ。“GPS STICK”“DIGITAL CAMERA STICK”“TV-TUNER STICK”“FM DATA RECEIVER STICK”“ACTIVE SPEAKER STICK”“FINGER-ID STICK”などが見える
将来のメモリースティックのモックアップ。“GPS STICK”“DIGITAL CAMERA STICK”“TV-TUNER STICK”“FM DATA RECEIVER STICK”“ACTIVE SPEAKER STICK”“FINGER-ID STICK”などが見える



*PEG-S500C専用製品ということではなく、メモリースティックの将来の製品としての展示。1月のInternational CESなどでも同様の展示が行なわれている。

*Palm Inc.はPC EXPO2000において27日に、Palm OSの機能を拡張し、SDメモリーカードやメモリースティックなどの各種メモリ製品、および、Springboardなどの拡張オプションカードに対してのサポートを行なうと発表している。

【関連記事】
【PC EXPO 2000レポートvol.2】ソニーのPalm OS搭載マシンがついに公開

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【関連記事】
米パーム、Palm OSの機能拡張すると発表──SDメモリーカードやメモリースティックに対応

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/2000/0628/soft01.html


Crusoe追加情報―― サーバーアプライアンスにCrusoeを搭載する理由


Transmetaブースには、Crusoeを使ったインターネットアクセスサーバー機が展示してあった。これは、いわゆるサーバーアプライアンスというやつで、PCカードスロットやUSBポートをもち、UPS(無停電電源装置)を内蔵している。しかし、なぜこのような製品にCrusoeを採用する必要があるのか? と疑問に思っていたのだが、説明を聞くとなるほどと納得してしまった。

Transmetaブースに展示されていた、小型のサーバーアプライアンス
Transmetaブースに展示されていた、小型のサーバーアプライアンス



まず、消費電力が小さいため、ファンが必要ない。また、全体的に小型化が可能だという。長時間連続して利用するサーバー機にはうってつけである。しかも消費電力が小さいために、UPSが小型化できるうえ、数分という単位ではなく、数時間停電しても動作が可能だという。サーバーの規模にもよるが、通常サーバーでUPSを使う場合、停電を検出したらサーバーは自動的にシャットダウン動作を行なう。つまり、電力のある間に正常終了させ、データが破損する可能性を抑えるのである。逆にこれでは、ちょっとの停電や電源電圧の変動などでもサービスが停止してしまうことにもなる。しかし、消費電力が小さく、数時間レベルで動作できるのなら、必ずしもあわててシャットダウンする必要もないわけだ。

こうした“低消費電力”、“低発熱=ファンなし”という条件を必要としている製品はほかにも多いはずである。しかも、性能的には、現在のメインストリームパソコン程度ある。ノートPCを製造するメーカーは世界中でもそれほど多くないが、こうした条件を必要とする機器を製造するメーカーは、それよりもずっと多いに違いない。そう考えるとCrusoeの市場はかなり大きいのではないだろうか?

【関連記事】
【PC EXPO 2000レポートvol.5】話題の省電力プロセッサー“Crusoe”マシンが展示される

http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue
/2000/0629/topi03.html

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