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フクオカ・ナウ、英・中・韓3ヵ国語によるローカルニュースをストリームで配信

2000年06月30日 00時00分更新

文● 岡田智博 coolstates.com

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(有)フクオカ・ナウは、九州在住の外国人に向けてインターネット上で情報を発信するサービス“キュウシュウ・ナウ”を7月1日より開始すると発表した。このサービスは、2分程度の長さに編集したニュースを英語、中国語、韓国語に翻訳し、ストリーミングによってネイティブスピーカーがアナウンスするもの。安定したコンテンツを確保するために、西日本新聞社と報道情報について提携し、オンライン事業実験として英語コンテンツをシェアする。

ニュースは、QuickTimeフォーマットによるビデオストリームと、MP3によるオーディオ、Web、および電子メールの配信によって提供される。九州地域全体を初めてカバーした、外国語による日刊ニュースサービスとなる。

フクオカ・ナウ代表取締役のニック・サーズ氏は「九州には福岡を中心に6万人もの外国人が住んでいるが、日本から発信している外国語のメディアは全て東京中心の話題で占められている。例えばゴミの捨て方が変わったなど、コミュニティーでの生活情報や、話題になっている事件、そしてホークスの情報といったものなど、外国人が九州で暮らしていく上で不可欠なニュースを知る手段がないという不便な状態が続いてきた。インターネットを用いることによって、こういった問題を解決できるに違いない。また、九州そのものが最近とみに海外から注目されているにも関わらず、今を知ることができる情報源が無いという現実もある」と、外国語メディアの必要性を切実に訴える。

フクオカ・ナウ代表取締役のニック・サーズ氏
フクオカ・ナウ代表取締役のニック・サーズ氏



このサービスは、同社が提供する情報インフラストラクチャーの第2弾となる。同社は、マルチメディア・アライアンス福岡の初年度ワークショップ事業の1つとして、'99年4月より“フクオカ・ナウ”を開始している。これはWeb、電子メール、iモードによって、エンタテインメントやニュース情報を英語で配信している日刊のメディアである。

iモードによって配信される“フクオカ・ナウ”のトップページ
iモードによって配信される“フクオカ・ナウ”のトップページ



長年、福岡市内で編集者の仕事をしてきたサーズ氏。脱サラして始めたフクオカ・ナウだが、独自の取材網で情報を収集し、地元のエンタテインメント情報をバイリンガルで伝える月刊のフリーペーパー『フクオカ・ナウ』も同時に発行している。こちらのほうは、7月に開催される“九州・沖縄サミット福岡蔵相会議”でのオフィシャルガイドの1つとして採用されるなど、若者を中心に定着しつつある。しかしオンライン版の方はそうもいかないというのが現状だ。

月刊のフリーペーパー『フクオカ・ナウ』
月刊のフリーペーパー『フクオカ・ナウ』



同社は、ファイルメーカーをベースにしたコンテンツ配信サーバーをMac OSで動かすというミニマム・オペレーションを開発し、日刊によるニュースコンテンツを1年以上にわたって出し続けてきた。着実なビジネスを展開しているにも関わらず、地域密着型コンテンツ配信ビジネス故に全く注目を浴びることが無かった。

「福岡という地方都市で展開しているため、ほかの外国語のメディアがそうであるように、東京中心になっている情報の伝わり方の中では、自分たちのサービスの存在を多くのユーザーに伝えることは難しい。たとえばiモードの例だと、日本語を含めて、福岡で初めて毎日更新するニュースコンテンツを配信した。日本初の英語サービスだったが、プレスリリースを撒いても全く反応が無かった」

「はっきり言って事業としては頭打ちの状態。しかし確実に九州に住む外国人が増え、アジアだけでなく欧米からの関心が九州に大きく寄せられる中で、メディアに関わってきた外人として、できる事はしていかなければならないと考えた。自己投資でサービスの拡充を続けていく」と、サーズ氏はこのサービスにかける意気込みを語った。

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