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【PC EXPO 2000レポートvol.4】PC EXPO 2000開幕――モバイル、PDA、Eビジネスなどで盛況

2000年06月29日 00時00分更新

文● 菊地 薫

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IT関係のビジネスショウとしては米国東部最大級のイベント、“PC EXPO 2000”が、マンハッタン(ニューヨーク市)のジャビッツ・コンベンション・センターで現地時間の27日開幕した。ハードウェアはメインフレームから大小のアクセサリーまで、ソフトウェアはセキュリティー技術を含むサーバー・アプリケーションやECサービスからPDAアプリケーションまでと出展内容は多種多彩だが、全体的には小~中規模のビジネスを対象とした製品やサービスが中心。出展社数は500社を越えているが、各種IT関連会社の購入責任者やマネージャーといった肩書きを持つビジネスマンを中心に29日までの3日間に8万5000人の“大人”だけの入場者を見込んでいる。



“PC EXPO 2000”の今年の目玉は、数多くのPDA関連製品を含むモバイル・コンピューティングやワイヤレス・テクノロジー、そして、規模よりも内容の充実度やアイデアの斬新さますます重視されるようになったEビジネスだが、他にLinuxやバイオメトリックスなどの新しいコーナーも加わり、イベントの内容が大きく刷新された印象を受ける。



そしてもう1つ特筆すべきは、ショウの発想が大きく変わってきていることだ。従来、ビジネスショウといえば、バイヤーを対象にメーカー各社が製品を陳列する“ショウケース”的な役割が大きかったが、今年はそればかりではない。ここ、ニューヨークのPC EXPO 2000では、出展社自体や入場者自身がショウケースの中の製品となる場合もあるのだ。というのは、米国にはドット・カンパニーなどの新興ビジネスを支援する“エンジェル(天使)”と呼ばれる大小の投資家が多数いるが、主催者のCMPメディア社ではこれらの投資家を招き、両者の出会いの場を積極的に提供している。

PDAやモバイル製品への関心が高いが、Palm社のブースは入場に列ができんばかりの盛り上がり方で、公式の展示時間が終了した午後5時過ぎでもこれだけの人だかり
PDAやモバイル製品への関心が高いが、Palm社のブースは入場に列ができんばかりの盛り上がり方で、公式の展示時間が終了した午後5時過ぎでもこれだけの人だかり



また、会場内には“PC Career Expo”という一角が設けられ(27、28日のみ)、シスコ、IBM、ソニー、ベル・アトランティック、キヤノン、Computer Sciences Corporationなど60余社が、ITプロフェッショナルたちに数百の職種をオファーしている。米国では、ここ数年のインターネット株ブームなどのおかげで日本円にして億単位の財をなし、金持ちになったものの引退するにはまだ若すぎる、というIT関係者がごろごろいる一方で、今後10年間に1000万人のIT技術者が不足すると言われている。この2つの要素をイベントに取り入れることで、PC EXPOは格を一段が上げたように思えるが、米国のITビジネスショウの一つの方向性として興味深い。

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