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米クリティカルパスが、三井物産、NTT Com、NECと、メッセージングを核とするASP会社クリティカルパス パシフィック(株)を設立――アジア・オセアニア地区にも展開

2000年06月23日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米クリティカルパス社は22日、都内で記者発表会を開催し、三井物産(株)、NTTコミュニケーションズ(株)、日本電気(株)との合弁により、“クリティカルパス パシフィック(株)”を5月26日に設立したと明らかにした。クリティカルパス パシフィックは、Eメール技術を核とするASP事業を日本およびアジア・オセアニア地区で展開するとしている。

(左から)三井物産の島田専務、クリティカルパス パシフィックの山坂社長、米クリティカルパスのサッチャー社長、NTTコミュニケーションズの石田常務、日本電気の鈴木常務
(左から)三井物産の島田専務、クリティカルパス パシフィックの山坂社長、米クリティカルパスのサッチャー社長、NTTコミュニケーションズの石田常務、日本電気の鈴木常務



資本金は20億円で、出資比率は米クリティカルパスが40パーセント、三井物産が30パーセント、NTTコミュニケーションズが25パーセント、NECが5パーセントとなっている。2005年に500億円の売り上げを目指すという。

クリティカルパス パシフィックが提供するメッセージングサービスは、ウェブブラウザーだけで利用できるEメールサービス“WEBメール”、現在の(インターネットの)Eメールのスタンダードである“POP3メール”、POP3メールと異なり、メッセージをサーバー側に保存しておける“IMAP4メール”がある。また、これらのメールをモバイル環境と接続するインターフェースや、データベースとメールの間で情報をやりとりするインターフェースも提供される。

米クリティカルパスは、'97年に設立されたメッセージングサービスの専門会社で、米国内6ヵ所のデータセンター、米国とヨーロッパに12ヵ所の事務所を持つ。通信キャリアー会社、ISP、ASP企業からアウトソーシングされる形でビジネス展開を行なっている。サービスを提供している2000年度の売り上げ見込みは前年比617パーセント増の1億ドル(約105億円)という。

米クリティカルパスのデビッド・サッチャー(David Thatcher)社長は、「日本市場では、単独では参入は難しいと考え、合弁事業とした」と述べた。合弁相手である3社を選んだ理由として「それぞれ重複しない強みがある。三井物産はアジア全地域に販売網を持つ。NTTコミュニケーションズは高度なサービスを備えたデータセンターを提供可能で、長期に渡り確立された企業との関係を持つ。NECはアジアと世界でコンシューマーエレクトロニクス企業としての強みと、企業との関係を持つ」とした。

米クリティカルパス社長のデビッド・サッチャー氏
米クリティカルパス社長のデビッド・サッチャー氏



クリティカルパス パシフィックは、Eメールサービスのデータセンターを東京に構築し、企業、ISP、ASP、ポータルサイト、モバイル事業者などに対して、アウトソーシングサービスを提供する。提供するメッセージングサービスは、米クリティカルパスの技術とノウハウを使い、認証や電子印鑑といった付加価値を持たせたものという。ユーザー企業は、高度で進化を続けるEメール関連技術を速やかに、低コストで利用できるという。

代表取締役社長の山坂伸一氏
代表取締役社長の山坂伸一氏



サービス料金については、規模やサービス内容により異なるとしながらも、「(メッセージの数やデータ量などに関わりなく)1ユーザーあたりいくら、という料金。ほかのメッセージングサービスを提供している会社と比較して、十分競争力がある価格」(山坂社長)としている。

すでに営業活動は開始しており、現在は米国にあるデータセンターを使い、“club.nakata.net”(http://club.nakata.net/)や“e-Carnet.co.jp”(http://www.e-carnet.co.jp/)などにWEBメールサービスを提供しているという。

また今後の展開として、スケジュール管理ツール、スパムやウイルスメールに対するブロック機能の提供、NTTコミュニケーションズの業務支援ツール『WORK BOX』、NECの“BIGLOBE”と連携したサービスを予定しているという。また、これらのサービスは、日本国内だけでなく、アジア・オセアニア地区にも平行して積極的に展開していくとしている。

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