郵政省は、平成12年度(2000年)版通信白書を公表した。その中では、ネットのモバイル化、予約サービスや金融サービスの拡大を挙げているほか、5年後にはB2Bの市場規模が約103兆円と巨大な市場を形成すると予測している。
ネットのモバイル化
通信白書の中で、固定電話と移動体の加入者数の逆転、インターネット接続サービスでもモバイル通信が大きなウェイトを占める現状から、“ネットのモバイル化”の流れが始まっていると指摘している。インターネットの利用者は、平成11年('99年)末の15歳から69歳の利用者数の推計は2706万人で、これが平成17年(2005年)には7670万人に達すると予測している。
利用者の内訳は、男女比が58:42。20代と30代で76パーセントと偏っている点が、携帯電話・PHSの利用者が各層まんべんなく普及しているのに比べて異なっている。
利用目的はメールとウェブ閲覧が主で、自宅で毎日が大多数だとし、女性利用者は利用歴が浅く、ここ2年で急増したとしている。
また、iモードやメールなど携帯電話がインターネットアクセスを身近にしたと評価。コンテンツでは、チケット予約などモバイルコマースが拡大すると予測している。
企業間の商取引は5年後に約7倍に
インターネットビジネスでは、平成11年('99年)の市場規模が21兆1756億円で、その内訳はB2CとB2Bをあわせた電子商取引が14兆7798億円、関連サービスが6兆3958億。これが平成17年(2005年)には約140兆円の巨大な市場になると予測している。その大部分を占めるのが企業間取引で、平成11年度の14兆4298億円から、平成17年度には103.4兆円と約7倍の規模に成長するとみている。
また、平成11年には1729億円だったモバイルビジネスが5年後には4兆5206億円と、約26倍に急拡大すると予測している。
サービスは多様化し、環境整備が急務
インターネットのビジネススタイルは、アクセス回数を拡大させるために、サービスが多様化してきているとし、今後は予約サービス、金融サービスが拡大するとしている。一方、情報通信の課題として、インフラの整備や国境を越えた商取引の推進を挙げている。そのほか、セキュリティーや違法・有害情報への取り組み、デジタル・デバイド対策が急務と指摘している。