米インテル社は19日(現地時間)、新チップセット『 Intel 815 Chipset』と『同815E』を発表した。815/815Eは、グラフィックスアクセラレーター統合型ながら外付けグラフィックスカードのサポートや、PC133
SDRAMインターフェースをサポートしたことが特徴。“Solano(815)”、“Solano2(815E)”のコードネームで知られていたチップセット。
815Eでは、先に発表された『820E』同様に、*“ICH2”を採用する。即日量産出荷されており、1000個ロット時の価格は815が41ドル(約4330円)、815Eが46ドル(約4860円)。
*“ICH2”(I/O
Controller Hub2):ICH2は100BASE-TX LAN、Ultra ATA/100、4ポート(2ポート×2チャンネル)のUSB、6チャンネルのAC97対応オーディオ機能、ソフトウェアモデム機能を備える。なお、810で採用されているICHでは、LANインターフェースはなく、Ultra
ATA/66、2ポート(1チャンネル)のUSB、2チャンネルのオーディオ機能がサポートされている。
『Intel 815E Chipset』 |
815/815Eは、グラフィック機能を内蔵しているという点では、『810』や『810E』と同様だが、AGP4×スロットをサポートした点が大きく異なる。マザーボードメーカーは、815/815Eを使って、1)内蔵のグラフィックス機能を使ったもの、2)内蔵のグラフィックス機能を使い、さらに“GPA
Card”と呼ぶディスプレーキャッシュを追加したもの、3)AGPスロットを備え、AGP4×のグラフィックスアクセラレーターカードを使用するもの、というように様々なインプリメンテーションが可能。内蔵するグラフィックコアは810/810Eとほぼ同等だが、新たにトライリニアフィルタリングと、クロマキーがハードウェアでサポートされている。
815Eの構造 |
また、メモリーインターフェースとして、PC100 SDRAMに加え、インテルのチップセットとしては初めてPC133
SDRAMをサポートした。かつてインテルは、「PC133はサポートせず、RDRAMを推進する」としていた時期もあったが、RDRAMの生産量が増えずSDRAMとの価格差が大きいこと、また、RDRAMインターフェースを備えた820の登場の遅れなどから、パソコンメーカーやユーザーの要求を受け入れざるを得なくなったと考えられる。
815/815Eは、グラフィック機能を備えるということでは810/810Eの後継だが、実質的には、AGP4×モードとPC/133、Ultra
ATA/66、Ultra ATA/100をサポートする『440BX』の後継チップセットだ。RDRAMをサポートする820/820Eが、RDRAMが高価なこと、チップ自体やMTHのトラブルなどで、パソコンユーザーから敬遠される傾向にあったため、440BXがPentium
II時代から長い間、メインストリームPCに搭載されてきたが、815/815Eの登場により、ようやくその座を譲ることになる。インテルでは、440BXの生産は徐々に縮小するが、810Eについては低価格PC向けに生産を続けるとしている。
なお、インテルは同時にこの815Eチップセットを搭載したATXマザーボード『D815EEA』を発表した。店頭での価格は搭載する機能にもよるが、150ドル(約15850円)から170ドル(約1万7970円)としている。