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シスコ、日本市場に限定した中小規模オフィス向けISDNルーターを発売――「つながればいい時代は終わり」

2000年06月13日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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シスコシステムズジャパン(株)は13日、東京の同社において、中小規模オフィス向けISDNルーター『Cisco811』『同813』を発表した。

価格はCisco811が9万9000円、同813が11万2000円。出荷は同日から。販売は沖電気工業(株)、伊藤忠テクノサイエンス(株)、ネットワンシステムズ(株)などを通じて行なわれる。

Cisco811、同813
Cisco811、同813



同製品は、日本でのみ販売する製品で、日本向けに特化しているという。発表会の席上、代表取締役社長の黒澤保樹氏は、「つながればいいという時代は終わり。これからはセキュリティーを保ちながら通信できるビジネスレベルの製品が求められる」と語った。

黒澤社長黒澤社長



ファイアーウォールとVPN機能に対応したISDNルーター

Cisco811、同813は、ISDNダイヤルアップ接続や専用線、フレームリレーに対応したルーター。ISDNの契約が、2002年までに1000万の加入が見込まれるという日本の事情にあわせて展開される製品。「日本でしか売らない。日本向けに特化した製品」(黒澤氏)という。

同製品は、DSUを内蔵しており、S/Tも1個装備している。Ethernetポートは、811が1ポート、813がHub機能を持った4ポートを搭載している。プロトコルはIP以外に、IPXにオプションで対応。アナログポートは811にはないが、813には2ポートを装備している。

セキュリティー機能は、NAT、アクセスリストのほか、動的にアクセスを管理するCBAC、Javaブロッキング、サービス妨害検出機能などを採用している。“CiscoIOS”を搭載し、オプションでファイアーウォール機能(1万2000円)が追加可能。IPSec暗号技術、56bitのDESを採用したVPN機能は、3万1000円で提供される。

つながればいい時代は終わり

黒澤社長は、「日本は8月からの次の会計年度でも、今年に引き続いて優先順位1位であり、大きく投資していく。今回の製品は、日本に特化した第1号の製品。つながればいいという時代の終わりはもう来ている。セキュリティーを保ちながら通信できる、本当に使えるローエンドのルーターが求められている。今までほしかったがなかった製品を出すことができたと自負している。」と語った。

米シスコシステムズ社のSMB事業部門RIBUのマーケティング担当シニアディレクターであるブルース・レイアード(Bruce Laird)氏は、「これはマイルストーンで、シスコとしても画期的な出来事」と、日本に特化した製品を出荷することについて表現した。

米シスコのブルース・レイアード氏米シスコのブルース・レイアード氏



また同氏は、「常時接続が欧米並みになりつつあり、ビジネスチャンスがあるとみている。その市場には、ビジネスクラスのセキュリティーを搭載した製品を出荷していかなければならない。中小規模オフィスでは、使い勝手がよく、メンテナンスしやすい製品が求められている」と、説明した。

販売目標は初年度15万台を見込んでおり、今後もADSLに対応した製品などをファミリーとして製品化していく予定だという。

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