デルコンピュータ(株)は、12日、企業向けPCサーバーの新ラインアップ『PowerApp(パワーアップ)』シリーズを発表した。
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| デルが発表したアプライアンス・サーバー『PowerApp』。1Uまたは2Uサイズのラックマウント筐体を採用。企業ごとに細かなカスタマイズが必要なバックエンドのアプリケーション/データベースサーバーに対し、フロントエンドのキャッシュ/ウェブサーバーは、どの企業でもほぼ同等の構成を採用しているため、アプライアンス的な製品でも機能的に十分であるという |
PowerAppシリーズは、特定用途を視野に入れ、必要最小限の機能/ソフトを搭載したいわゆる“アプライアンスサーバー”で、コストが低く、導入/メンテナンス時の手間を省けるのが特徴。外観は1U(厚さ44mm)または2U(同84mm)の薄型ラックマウント筐体で、当初はウェブサーバーとキャッシュサーバーの2種類のモデルを用意。将来的には、負荷分散やセキュリティー機能を装備した製品の出荷も予定している。
主な仕様は、ウェブサーバーの『PowerApp.web 100』が、PentiumIII-600/650/700MHz、64～512MBのメモリー、Ultra3
SCSIに対応した9/18GBのHDD×1～2基など。『Red Hat Linux 6.2＋Apache 1.3.12』または『Windows
2000 Advanced Server＋IIS』の2種類が用意され、前者はPentiumIII-600MHz/64MBメモリー/9GB
HDD搭載の最小構成で20万8000円、後者はPentiumIII-600MHz/128MBメモリー/9GB
HDD搭載モデルが27万8000円。
一方、キャッシュサーバーの『PowerApp.cache』は、1Uサイズの『PowerApp.cache
100』がPentiumIII-600/650MHz、128～256MBのメモリー、Ultra3 SCSIに対応した9GBのHDD×1～2基を搭載。2Uサイズの『同200』がPentiumIII-600/733MHz、512～2GBのメモリー、9GB×3～4基または18GB×5基のHDDを搭載。サーバーソフトはともにノベルの『Internet
Caching System 1.2』を採用している。価格はPentiumIII-600MHz/128MBメモリー/9GB
HDDを搭載したPower.App.cache 100の最小構成が56万8000円。
なお、『PowerApp』シリーズは、特定用途に絞り込んだアプライアンス製品ということで、BTO生産は行なわない。あらかじめ同社が用意した構成のみの出荷となる。
また、同社は、PowerAppシリーズの発表に合わせ、サービスプロバイダー向けの支援プログラム“Service
Provider Direct”を提供すると発表。サーバー製品の販売だけでなく、SEの派遣やメンテナンス、マーケティング/資産運用、システム構築と運用のアドバイスなど、総合的なサポート業務を行なう。提供開始は2000年8月。
さらに、ベンチャー企業を育て、新規事業開拓を行なうことを目的とした投資活動“Dell
Ventures”、各業界のトップコンサルティング会社(社名に関しては未公開)と共同で、コンサルティングサービスを提供。2000年第4四半期には“Webホスティングサービス”を開始するなど、システム構築/サポートにとどまらず、インターネットのインフラ市場に関してトータルな取り組みを行なっていくという。
同社の代表取締役を務める吹野博志氏は「“インターネット・インフラストラクチャカンパニー”の名のもと、インターネット直販で培った“ダイレクトに接する”というデルの持ち味を生かしながら、BtoB(企業対企業)、BtoC(企業対コンシューマー)のビジネスが進まないという悩みを抱えたカスタマーに、ハードの提供/コンサルティング/サポートといったトータルなサービスを提供していきたい」と今後の抱負を述べた。
