“NETWORLD+INTEROP 2000TOKYO”では、モバイルコンピューティングにスポットを当てたコーナー“TechSpot@Interop”が開設された。同コーナーでは携帯電話などモバイル端末とインターネットを組み合わせ、企業の基幹システムと連携させるシステムや、携帯電話向け画像閲覧システムなどが展示された。
携帯電話で企業データベースにアクセスできる
同コーナーに出展した(株)日立インフォメーションテクノロジーは、ネット接続対応の携帯電話から企業データベースへのアクセスを可能にするアプリケーション『ケータイサーバー for DB2』を出展した。『ケータイサーバー for DB2』のデモ |
これは日本アイ・ビー・エム(株)のアプリケーションサーバー『WebSphere』上で動作するアプリケーション。エヌ・ティ・ティ
ドコモ(株)の“iモード”や日本移動通信網(株)の“EZaccess”といったネット接続対応の携帯電話と、日本アイ・ビー・エムのRDBMS『DB2』の間を仲介し、データベース内のデータを各携帯電話向けのマークアップ言語に変換。携帯電話でのデータ検索・登録を可能にしている。同社は用途として、営業マンが出先から顧客データベースや在庫情報を参照したり、携帯電話を使った街頭アンケート、宅配便の配達完了報告などを挙げている。
14日の発売を予定し、価格は98万円。今のところ対応RDBMSはDB2のみだが、将来は日本オラクル(株)の『Oracle
8i』、マイクロソフト(株)の『SQL Server』のサポートも予定している。
また同社は、iモード対応携帯電話でリアルタイム映像を閲覧できるシステム『ケータイサーバー
for LIVE!(仮称)』を参考出品した。
『ケータイサーバー for LIVE!(仮称)』のデモ |
同システムはカメラと映像配信装置、アプリケーションを組み込んだサーバーで構成される。iモード端末でURLを指定してアクセスすると、カメラがとらえた映像を静止画として閲覧することができる。また最大3コマのGIFアニメも作成でき、端末のディスプレー上で簡易動画を見ることも可能だ。観光地やイベントのライブ映像配信や、警備業者の監視システムなどさまざまな応用が考えられるという。
対応端末は『502i』シリーズのカラー液晶パネルを搭載したタイプ。システムは年内の発売を目指している。現状ではカラー画像を受信する際のパケット通信料が高額になってしまうため、同社は「通信料も安くなってもらわないと……」とキャリア側に注文を付けている。
既存のウェブをモバイル端末向けに自動変換する『Transcording Publisher』
日本アイ・ビー・エムは、モバイル端末向けにコンテンツを自動変換するアプリケーション『Transcording Publisher V1.1 日本語版』を出展した。『Transcording Publisher』のデモ。HTMLのテーブル(表)がiモード用に変換されて表示されている |
Transcording PublisherはWebSphere上で動作するコンテンツ変換ソフト。HTML文書を簡易化したり、WML(WAP端末用記述言語)に自動変換することで、モバイル端末などからスムーズなインターネット利用を可能にするという。
(株)プロファイブが開発した同ソフトのプラグイン『eMagic for WTP』を併用すれば、国内の全ネット接続対応携帯電話向けにウェブコンテンツを変換して表示することが可能になるという。端末の種類はHTTPのヘッダーで判別し、HTMLで記述されたウェブコンテンツを各端末向け記述言語に自動変換して送信する。携帯電話のディスプレーサイズより大きなテーブル(表)は、セルの配列を縦長に書き直して送信するといった機能も搭載されている。
iモード端末『501i』シリーズにJavaを組み込んだ試作機が参考出品された。Javaに対応することで、より高度な電子商取引(EC)やゲームのダウンロードなども可能になるという。正式に対応した新機種『503i』シリーズは今秋にも発売される見込み |