NTTサイバーコミュニケーション総合研究所は30日、明るさが異なる同一の像を重ねて表示することで、奥行き感が表現されるという3D映像表示の原理を発見したと発表した。同社ではこの原理を利用した3Dディスプレーを試作し、3D専用の眼鏡を使わずに3D立体表示が得られることを確認したという。
同研究所が発表した3D映像表示の説明図 |
これまでは、眼鏡式の3Dディスプレーなど左右の目がそれぞれ違った方向から2つの異なる像をとらえる両眼視差を利用した方式が主流だったが、生理学的な不自然さを伴うため観察者が疲れやすいという問題があった。今回の原理は、同じ形状の画像を前後に配置し、明るさを変えることで明度の比に応じた奥行き位置が知覚されるというもの。
従来の方法よりも観察者の疲労感が減るうえ、既存の部品を利用してシステムを構成できるため特殊な部品を必要としないというメリットもある。映像データも従来の1.3倍程度とさほど大きくないために、ネットワークによる伝送も容易になるとしている。