コンパックコンピュータ(株)は30日、企業の統合型企業情報システム“ゼロ・レイテンシー・エンタープライズ・ソリューション(ZLEソリューション)”を発表した。同社の超並列サーバー『NonStop
Himalaya』を中核とし、異なるアプリケーション間をつなぐインターフェースであるEAI(Enterprise
Application Integration)や集中管理型のデータベースなどが用意される。これにより既存の情報システムを効率よく統合し、リアルタイムに近い形で顧客データを活用したインターネットビジネスが可能になるという。
都内で開かれたコンパックコンピュータの発表会 |
ZLEソリューションは(1)EAI、(2)“オペレーショナル・データ・ストア(ODS)”、(3)“ルールベース・マネージメント・システム(RBMS)”の3コンポーネントで構成される。
EAIは、ERP(Enterprise Resource Planning)やCRM(Customer Relationship Management)といった企業の基幹系システム間を接続するインターフェースとなるもの。各システム間をつなぐHubとして機能し、既存システムに手を加えることなくデータ交換やシステム統合が可能になる。ZLEソリューションでは、日本BEAシステムズ(株)の『eLink』を利用するものと、CORBAとJavaを利用した統合の2種類を用意した。
ODSは同社独自の呼び方。基幹系システムのデータベースを統合する単一のデータベースを設置し、すべてのシステムから情報にアクセスできるようにするもの。これにより常に更新されたデータを各システムから利用できるため、各システムごとにデータベースが分散している場合と比べて迅速なデータ活用が可能になるという。
RBMSはビジネスルールをアプリケーションから独立して管理できるようにするもの。“x個購入してもらったらx割値引きする”といったルールをアプリケーションから分離して管理可能にするため、ルールを柔軟に素早く変更できるという。RBMSアプリケーションには、ブレイズソフトウェア(株)の製品が用意される。
『NonStop Himalaya S72000』 |
システムの中核となるのが、同社の超並列サーバーであるNonStop
Himalayaシリーズ。今後は顧客の各種システムに合わせ、UNIXサーバーの『AlphaServer』やWindows
NTサーバーの『Proliant』もラインナップに加えていくという。
同社ではZLEソリューションの導入を企業に促すため、都内の同社本社内に“ZLEシステム・ラボラトリーズ”を近く開設。実際に稼働中のシステムを体験できるショールーム的な場所になるという。
コンパックコンピュータ副社長でエンタープライズビジネス統括本部長の河合聡氏(左)と、同本部タンデム製品部長の岩宮好宏氏 |
都内で開かれた記者発表会で、コンパックコンピュータ副社長の河合聡氏は、「コンパックが昨年から掲げている“NonStop
eBusiness”を実現するのがZLEソリューション」と述べ、ZLEソリューションが可用性や拡張性に優れた点を強調した。