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【BMC Assurance 2000 Vol.8】「ストーリーテラーとして経験やビジョンを語り継いでください」――リトル・ショップ・オブ・ホラーズのビジュアルエフェクトを手がけたブラン・フェレン氏

2000年05月26日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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運用管理ソフトなどを出荷している米BMCソフトウェア社は5月21日~26日までの期間、米国・ラスベガスにおいて、プライベートショー“BMC Assurance 2000”を開催している。折り返し地点の24日(現地時間)には、元ウォルト・ディズニー・イマジニアリング社上級副社長のブラン・フェレン(Bran Ferren)氏が、「みんな、変化なんて嫌いでしょう? コンピューター革命なんて本当はないほうがいいと思っているでしょう? コンピューターが先生の代わりにはなりません。先生はすぐれたストーリーテラーなのです。みなさんもストーリーテラーとして子供にビジョンを見せてあげてください。そうすれば未来は明るいでしょう」と、講演した。

彼は、映画“リトル・ショップ・オブ・ホラーズ”のビジュアル・エフェクトを手がけたことなどで知られている。

ブラン・フェレン氏
ブラン・フェレン氏



みなさん、変化なんて嫌いでしょう?

フェレン氏はまず、「みなさん、変化なんて嫌いでしょう?」と問いかけた。

「みんな、変化は嫌いなのです。急速な変化の中にいるときには、予測をしなければなりません」

「今、変革しなければいけない、アイデアが必要だと言います。しかし組織では、クリエイティブであっては困ることもありますよね。危険を冒して何かを行なって失敗すると、ご褒美がもらえますか? 罰を受けますよ。本当は保守的なんです」

「みなさんのクライアントだって、お金を使いたいなんて思っていません。また、ソフトウェアがうまく動作するなんて思っていません。もしそうならばみなさんの仕事はもうなくなってしまうわけですし」と、今起こっている変革を本当に好んでいるなんてだれもいないのだと語った。

真のコンピューター革命は子供たちの世代が実現する

フェレン氏は、コンピューター革命はまだ本当は起こっていないのだと述べた。

「本当にコンピューター革命を信じている人なんていないのです。もし信じていたら、2年前にAmazon.comの株を買っていたはずですよ」

「みなさんの年齢になると、コンピューター革命なんて信じないんです。みなさんはもう年を取っていますから。しかし子供たちは違います。彼らはコンピューターとともに育っています。子供たちとみなさんとでは、感覚も違うんです。彼は真のコンピューター革命を実現する力がある世代なのです」

競争相手はライバル企業でなく、いかにお金をこちらに振り分けさせるかだ

フェレン氏は、ライバル企業は本当の競争相手ではなく、お金こそが競争相手であり、人々のお金をいかにこちらに振り分けさせるかが勝負なのだと語った。

また、「開拓時代には、大草原に家を建てて、家族で自給自足の生活をすることが夢だった。これから100年後はどうでしょう? 大草原に家を建てて、そこにコンピューターを持っていって、家族で暮らす。みなさん、そんなことをしたいんでしょう? これは実現しますよ。テクノロジーの発展からみればね」と語り、会場から拍手を受けた。

6つの大事なこと

最後にフェレン氏は6つの大事なことを挙げた。それは、ビジョン、タレント、信頼、情報のスピード、複雑であるということ、そして教育の6つだという。この中でもビジョン、教育が大事だという。

そしてフェレン氏は、「コンピューターは重要ですが、先生の代わりにはなりません。みなさんの先生はすぐれたストーリーテラーでしたよね? ストーリーテラーの伝統を守り、みなさんが知っていることを語り継いでください。みなさんのスキル、ビジョンを語ってあげてください。それらを子供たちに伝えることができれば、きっと未来は明るいものになるでしょう」と講演を締めくくった。

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